おか 明彦 愛知県議会議員(名古屋市 緑区)

教育と防災のスペシャリスト

団地の高齢者楽しく「ご飯会」/県営住宅自治会とNPOが協定/名古屋市

公明新聞掲載 2020年03月02日 7面

1960年代の高度経済成長期を中心に各地で建設された公営団地。当時は若い夫婦が多く入居したが、その子どもが独立し、住民の大半が高齢者に。入居者の孤立化やコミュニティーとしての機能低下が課題となっている。名古屋市緑区の愛知県営伝治山住宅自治会は、NPO法人「たすけあい名古屋」(本部・同区)と協力し、2月13日に初めて「高齢者ご飯会」を開催(参加費500円)。70〜80代の高齢者がごちそうを味わった。
■県調理師会も協力/別室では歯科健診

「いつもはスーパーで買った総菜ばかり食べてる。こんなにおいしそうなものは久しぶりだね」。70代の男性は、目の前に並ぶ豚の角煮や、焼き魚を眺め、うれしそうにつぶやいた。

「ご飯会」で料理を振る舞ったのは一般社団法人「愛知県調理師会」の料理人たちだ。和・洋・中そろった9品。「“一流”のご飯が味わえて幸せ」(70代の女性)とも喜ばれ、各テーブルは話に花が咲き、テレビ番組などの話題で盛り上がっていた。

別室では歯科医師による歯や口の健康チェックも実施。医師は器具を使い、食事の前後に訪れた高齢者約10人の歯を診断し、「定期的に歯医者でクリーニングしてもらうといいですよ」などと助言した。チェックを受けた男性は「歯を大切にします」と応じた。

県営伝治山住宅自治会は昨夏、介護や障がい者支援の各種施設・サービスを展開しているNPO法人「たすけあい名古屋」と協定を結び、同住宅の高齢化や外国人入居者の増加に伴う問題の解決に向けて、支援を受けている。協定締結のきっかけをつくったのは公明党の岡明彦県議。「自治会が抱える問題を地域の団体が支えるモデルをつくろう」と両者に提案し、橋渡しした。

この協定に基づく初めての試みが「ご飯会」だ。同法人は、会場提供や参加者の送迎などに携わった。岡県議は、県調理師会に調理師の派遣を依頼。緑区内の歯科医師にも協力を働き掛けた。

同法人の熊田光臣代表理事は「こうした取り組みを続けていくことが大切。こちらから伝治山住宅を訪れて高齢者向けのカフェを開くなど、活動をさらに発展させたい」と意欲的に語る。

岡県議は「“地域発”で公営住宅の諸課題の解決に挑む事例となった。今後、行政がサポートするなど、さらに発展させ、他地域の参考になる活動にしたい」と強調した。

■普段できないことが実現/伝治山住宅自治会 西出修会長

県営伝治山住宅は約600世帯で高齢化率が7割を超えています。1人暮らしの高齢者も多く、孤独死の恐れもあります。

わが自治会は2017年から年1回、高齢者の外出の機会としてサロンを開いてきました。企画はこれまで大手製薬会社を招いた健康づくりセミナー、介護予防につながる踊り「NOSS」を学ぶセミナーなどを岡議員に主導していただき、本当に助かっています。

サロンは自治会の集会所で行ってきましたが、今回は初めて外部会場で開催。普段味わえない食事、歯の健康チェックなど、自治会だけではできないことが実現しました。今後も岡議員や各種団体と協力し、皆が元気な県営住宅にしていきたいです。