おか 明彦 愛知県議会議員(名古屋市 緑区)

教育と防災のスペシャリスト

伝統と革新(有松・鳴海絞)

「有松・鳴海絞」からモダンな和文化が創られるよう、刺激的な取組を拡充していきたい

コロナ禍以降、マスクは私達と切っても切れない仲となりました。私が愛用するのは、地元・緑区にある、日本を代表する伝統的工芸品「有松・鳴海絞」の藍マスクです。多少なりとも見映えよくありたいですし、地元のPRになればとの思いからも、日替わりでつけています。

日本の生活様式が変わっていく中で、「絞り」は生きづらくなり、職人の後継者不足も深刻です。その一方で、「有松・鳴海絞」の技法がホテルのスイートルームの照明器具に施されたり、高級車の革のステアリングに使われていたりと、着物文化の領域を超え始めた例もあります。「絞り」を〝日本のものづくり〟の文化的なシンボルとして、けっして衰退させてはなりません。

近年、有松地区では、若手の絞りアーティストが誕生し、国際芸術祭「あいち2022」の会場にも選定されました。「有松・鳴海絞」が現代アートと出会うことで、どうインスパイアされるか。現代アートが有松の伝統的な文化に触れることでどうブラッシュアップされるか。伝統と革新がしのぎを削る場には、新たな文化が生まれます。「有松・鳴海絞」からモダンな和文化が創られるよう、刺激的な取組を拡充していきたいと考えます。

また2019年、有松地区は公明党の元・文部科学副大臣のアドバイスもあり、日本遺産に認定され、後送りされてきた観光の要素がクローズアップされました。大都市にあって江戸情緒を残す有松宿の魅力を、「ジブリパーク」の開園を機に全国に伝えたい、夢は大きく膨らみます。

「ジブリパーク」を核とした周遊観光は、必ずトレンドとなります。国際芸術祭のレガシーも継承しながら、伝統と革新が共存する「絞りのまち」としての磨き上げに、緑区の皆さんとともに、力を尽くしていきたいと思っています。