おか 明彦 愛知県議会議員(名古屋市 緑区)

教育と防災のスペシャリスト

おでんと卵

郷土を愛する心を育む、伝統野菜「徳重だいこん」を広めたい

寒い冬、冷えた体を芯から温めてくれるおでん。茶褐色の煮卵とともに、味噌を付けた大根が私の好物です。

さて、名古屋市緑区徳重エリアを中心に、昭和時代に生産が盛んだった「徳重だいこん」――それを復活させて「あいちの伝統野菜」として広めていきたいと、JAみどりはじめ、有志の農家さんが、地道な取組を繰り広げています。

「徳重だいこん」は、太く短い形のだいこんとして煮崩れしないのが特徴で、煮物だけでなく、漬物や切り干しなど、幅広い料理に使えます。おでんは言わずもがな。昭和時代には、徳重地域のあちらこちらで作られていましたが、農地の宅地化や、他品種に押されて、ついには生産されなくなってしまいました。しかし、2016年に農業用冷蔵庫から種が発見されたことをきっかけに、復活に向けた取組が始まりました。とはいえ、都市化が進んだこの地区に転居してきた新住民さんからは「どこに大根?」と言われることもありますが…。

私は、県会議員として「あいちの伝統野菜」(現在、「守口だいこん」はじめ35品種が選ばれている)の認定を目指すお手伝いをしています。これらの動きは、SDGsや地産地消に資する取組としてマスコミ報道されるなど、注目され始めています。また地域の歴史や文化を知る教育的効果も期待されています。

2022年5月には「徳重だいこん保存会」が発足しました。郷土を愛する心を育む〝食〟の一つとして、今冬も地元ならでは、の大根料理を広めたいと思います。