おか 明彦 愛知県議会議員(名古屋市 緑区)

教育と防災のスペシャリスト

(新型コロナ)オンライン学習無料で/全県立校でサービス導入/愛知県

公明新聞掲載 2020年07月20日 7面

■私立高校なども補助の対象

愛知県は先月、県立高校全150校と特別支援学校全30校の児童・生徒を対象に、リクルート系企業のオンライン学習支援サービス「スタディサプリ」を無料で使えるようにした。私立高校などが学校単位で同様のサービスを導入する場合は補助対象とする。新型コロナウイルス感染拡大の第2波も懸念される中、“学びの保障”は大切な課題。同サービス提供によって質の高い学習環境をつくり、遅れを取り戻せるようにする。期間は来年3月末まで。
スタディサプリには中学の学習内容の学び直しができる講座から最難関大学をめざす受験生向け講座までが設定されており、自分のレベルに合わせて利用できる。小学4年生から高校生向けまで4万本以上(高校生向けは1・5万本以上)の授業動画がある。

最大の利点はスマートフォン(スマホ)、タブレット端末、パソコンでいつでも何度でも視聴できること。学校の授業とは違い、自分のペースで学習を進められる。教員が生徒に対して課題(テスト)を配信したり、メッセージを送ったりする機能もある。個人で利用する場合の料金は月1980円(税別)。

サービスを無料で使えるのは、県立高校の生徒と特別支援学校の小学部4年生以上で、約12万人。県は、スマホなどがなくても同サービスを利用できるよう、学校のパソコン教室を開放。家庭でインターネットが利用できない生徒には、モバイルルーターを貸し出す予定。新型コロナの第2波が来た場合でも、このサービスを活用すれば学習の遅れを抑えられる。

公明党愛知県議団は1月、今年度予算に関する要望を大村秀章知事に行った際、自宅学習を可能とする動画教材の活用を提案。5月に新型コロナ対策の拡充を知事に要望した際には、民間のオンライン学習サービスの導入を求めていた。

スタディサプリは全国の学校でも導入が進んでいる。県内では学力向上などを目的に、県立高校10校が先駆けて利用していた。その一つである天白高校(金子悟校長)は、2018年度から活用。「メッセージ機能を使って休校中も生徒へ課題を送れたのが助かった」(金子校長)という。生物を担当する孕石順深教諭は「生徒は授業で分からなかった範囲について、動画を見て復習できる。これがありがたい」と述べた。

■学びの遅れ取り戻す

公明党の市川英男、岡明彦両県議はこのほど、大学受験に備え、2月からスタディサプリを利用する濵野柊くん(千種高校2年)の自宅を訪れ、話を聞いた。

濵野くんは通学電車の中でスタディサプリを使い、授業を予習している。「部活のため朝5時に起きて夜9時に帰る生活なので塾に通う時間がない。休校による学習の遅れを取り戻すのにも役立つ」と語る。母親の典子さんは「毎月2000円ほどかかっていたが、無料になったので助かります」と喜んでいた。