おか 明彦 愛知県議会議員(名古屋市 緑区)

教育と防災のスペシャリスト

ジブリ作品の世界を再現/来年秋にテーマパーク開業/愛知県

公明新聞掲載 2021年11月03日 7面

愛知県は、スタジオジブリの作品をテーマにした公園「ジブリパーク」の整備を進めている。建設地は長久手市で、来年秋の開業をめざす。公明党県議団(犬飼明佳団長)は、ここを核に愛知県を“修学旅行の聖地”にすることを提案。このほど、工事中のエリアを視察した。コロナ禍で観光業が落ち込んでいるだけに、関係者の期待も大きい。
スタジオジブリは『天空の城ラピュタ』『風の谷のナウシカ』『魔女の宅急便』など多くの傑作アニメ映画を世に送り出してきた。その人気は国内だけでなく海外に広がっている。

ジブリパークは、映画の舞台をイメージさせる「青春の丘エリア」「ジブリの大倉庫エリア」「どんどこ森エリア」「もののけの里エリア」「魔女の谷エリア」の5エリアからなる(もののけの里、魔女の谷は2023年開業予定)。05年愛知万博の会場となった「愛・地球博記念公園(モリコロパーク)」の未利用地や既存施設を活用する。

このうち、どんどこ森は、映画『となりのトトロ』に登場する姉妹が住む「サツキとメイの家」が再現され、開業中。他のエリアでは、映画『もののけ姫』で描かれた村を基にした体験学習施設、売店、展示室などを整備する予定だ。

整備は県が行い、デザインなどの企画監修はスタジオジブリが担う。県は、五つのエリア開業後について年間来場者数180万人、経済波及効果年480億円と見込んでいる。

■公明党県議団、“修学旅行の聖地”めざす

ジブリパークを活用した観光振興について、公明党の岡明彦県議が9月定例会で質問。「愛知県をジブリパークを核とした“修学旅行の聖地”にしてはどうか」と提案した。これに対して大村秀章知事は、ジブリパークの運営会社も修学旅行生らの受け入れを検討していることを述べ「調整していく」と答弁した。

修学旅行先で人気があるのは京都。京都市の調べによると、19年に修学旅行などで同市内に宿泊した小中高生は約70万人に上る。

一方、愛知県の調べでは、同年、修学旅行などで同県内に宿泊した小中高生は約9万人だった。

県ホテル・旅館生活衛生同業組合の加藤忠則専務理事は、修学旅行生をジブリパークに誘致する取り組みについて「県内への宿泊者が増えると期待している」と評価。その一方で自動車産業の博物館などがあることを強調し「パーク以外の魅力も積極的にPRしていかなければならない。組合としても検討していくが、県も積極的に取り組んでほしい」と語る。

現地を視察した犬飼団長は「ジブリパークを核として、県の魅力を全世界に発信できるよう、具体的な取り組みを推進していきたい」と話した。