鳴海高校卒業式祝辞(R4年)
コロナ禍という逆境の中だったからこそ、咲く花を
高校教員だった私は、今でも卒業式に格別の思いを持っています。卒業という新たな旅立ちの日にあたっては、毎年、県立鳴海高校の卒業生が、いつまでも笑顔であることを心から祈念して、祝辞を贈らせていただいています。
〈祝辞〉
ご卒業、おめでとうございます。心よりお慶びを申し上げます。
この佳き日、あちらこちらに美しい花が飾られていることと存じます。えも言われぬ綺麗な花を見ると、私は生花販売を営む方の言葉を思い出します。「花を育てるようになって、雨の日が好きになったという人は多いんですよ」。
皆さんは高校生活をコロナ禍に過ごされました。目まぐるしく変化する学校生活に戸惑い、制約の多い社会に息苦しさを感じたこともあったと思います。しかし、これらの苦労もまた、幸福の花を咲かせるための〝雨〟だと思えば、捉え方も変わってきませんか。皆さん世代がコロナ禍で経験したことは、「幸福の花」を咲かせる滋養になり、他の世代には真似のできない〝新時代を拓くエネルギー〟になると信じてやみません。
花々が皆さんの門出を祝ってくれています。お一人おひとりがお元気で、周囲に「幸福の花」を届ける存在になるような成長を期待しています。私達はいつも皆さんの活躍を応援しています。
(県立鳴海高校 令和4年卒業式)