大田支部会開催
終戦の日街頭演説会
海士町視察
令和5年8月2日、3日大田市議会の有志で作る「輝新会」で海士町の人材確保対策、いわがきの生産販売に研修をしてきました。
(1) 海士町 複業協同組合の取り組みについて(AMU(アム)-(-)WORK(ワーク))
海士町では、人口減少に伴う働き手不足を補うため、2020年6月法整備された、特定地域づくり事業を活用し、海士町複業協同組合を設立している。人材派遣の事業である。AMU-WORKERの時給は、1148円、月給の場合は20万円。対象は、Iターン者で、現在17名が仕事をしている。
なぜこのような制度が必要になったのか。平成16年から観光客が半減し、民宿等の経営も高齢化しているところは廃業に追い込まれる。理由は、食事の提供、布団の上げ下ろし等体がついていかなくなったため。
そこで、新しい仕事、働き方として、複数の仕事を組み合わせ、つなぎ合わせるものである。
例えば、
① 男性、1月~3月までは、定置網の仕事、4月~7月は食品加工、企画、申請書づくり、9月完全休業、10月~12月定置網の仕事を行う。
② 女性、朝夕は、隠岐牛の肥育作業(餌やり)、昼間は、ホテルの清掃。働く方が、それぞれ希望する仕事に就くことができる。
大人の島留学との連携で人材確保。
① お試し島留学(2泊3日)大人の島留学、島体験をしてみたい方の短期滞在型プログラム
② 島の暮らしを考える、島体験インターンシップ3か月
③ 大人の島留学、実際に島民として最前線の現場でしまのまちづくりを担う活動。1年間
実際に島に住んでもらい、島の生活を体験する事業である。
(島前ふるさと魅力化財団)の取り組み
若者の還流対策
隠岐島前高校の卒業生に対してこれまで行ってこなかった情報発信や東京で集まりを行い、島に帰ってくる取り組みを行っている。
【感想】
人口減少により、働き手の確保が難しくなった今日、海士町では、複業協同組合でIターン者を登録し、希望した職種を複合的に組み合わせながら派遣し、事業を成り立たせている。大変参考になる事業である。大田市大森町においても、2022年石見銀山大田ひと・まちづくり事業協同組合を設立し、人材派遣事業を開始している。同じような事業であるが、労働者不足、若者の働き方改革として、今後更に発展していく気がした。
(2) 海士町 いわがき殖産の取り組みついて
養殖いわがき(春香)の取り組みについて、海士町役場いわがき春香特命担当課長から、生産から販売についての話を伺った。
平成12年から海士のいわがき春香というブランドで、首都圏をはじめ全国に販売している。離島というハンディをCASという独自の冷凍技術で、販売を伸ばし、香港はじめ海外への出荷もされている。都内のオイスターバーでも隠岐のいわがきの名は周知されるようになった。
今後は50万個の出荷体制を目指す出荷体制を目指している。ここでも、働き手はAU-WORKERたちが一部を担っている。
【感想】
とる漁業から育てる漁業への転換が注目されている。担当者は、北海道の猿払村のホタテ漁の取り組みについて直接視察に出かけ、その驚きの体験を話されていた。年間所得額が3千万円、納税額1千万円の漁業者が50人とアッと驚く取り組みである。ニシン漁で栄えたこの地域も温暖化の理由なのか、取れなくなり、ホタテの養殖に切り替え、その結果を出している。
隠岐という恵まれた地形でいわがきの養殖をされていたが、大田市においては、同じような場所もなく真似することはできないが、低迷する漁獲高の確保を考えなければならないと感じた。