来年度の税制改正をめぐる議論が、与党内で始まる。
言うまでもなく、最大の焦点は、消費税率を10%に引き上げる段階での軽減税率の導入だ。
消費増税は、社会保障の安定財源を確保できる一方で、所得の少ない人ほど負担が重くなる
「逆進性」の問題がある。
この逆進性を緩和する低所得者対策は、絶対に欠かせない。
来年4月の消費税率8%引き上げ時には、低所得者対策として市町村民税の非課税世帯に
「簡素な給付措置」(1人当たり1万円)が行われる。
だが、あくまでもこれは、一時的な対策だ。
1回限りのものが、抜本的な低所得者対策になるわけがない。
そもそも、あらゆる制度というものは、継続性を持っていることでその効果が表れるものだ。
例えは悪いが、寒くなると猛威を振るうインフルエンザ。
予防接種を受けただけでは、その効果は薄い。
日々の手洗いやうがいの励行、そして何よりも十分な栄養と休養を取ることの積み重ねによって、
本当の予防となるのと同じことではないか。
軽減税率なら恒久的な対策になり、消費者は買い物のたびに負担の軽減を実感しやすい。
低所得者対策の本命は、軽減税率である。
そして、そのことは、本年1月、与党間で今年度の税制改正大綱で10%引き上げ時には、
軽減税率の導入を目指すことで合意済みだったはずだ。
また、軽減税率を導入するには、一定の準備期間が必要だ。
そうであるならば、年内に方向性を出し、実務に必要な時間を確保することが最優先事項となる。
先日の与党軽減税率制度調査委員会で公明党は、対象として食料品(酒と外食は除く)と
新聞・出版物と品目の絞り込みまで提案している。
あまり知られていないが、先ほどの簡素な給付措置の給付額算出の根拠は、酒と外食を除く
食料品の負担額から導き出されている。
この考え方からすれば、食料品を軽減税率の対象とするのは妥当である。
意味のない抵抗に終始しては、絶対にならない。
安定した社会保障制度維持のため、多くの皆様は消費増税に理解を示してくださった。
だからこそ、生活者に安心感をもたらす制度設計を行うことは、政治家の責務だ。
世論調査では、約7割の人が軽減税率の導入を求めている。
年度内決着のため、今こそ政治決断で軽減税率の導入を決めるべきだ。