成年後見人が付くと選挙権を失うとの公職選挙法の規定を削除し、被後見人に選挙権を付与する
ための改正公職選挙法が、今月27日に成立した。
今夏の参院選から適用される。
今回の法改正で約13万6000人の被後見人の選挙権が回復することになる。
被後見人の選挙権を剥奪する同法11条の規定について、東京地裁が「違憲」との判決を下してから
70日余り。
今回は、この法改正をリードした公明党の取り組みを紹介します。
成年後見制度は、従来の禁治産制度に代わり、2000年に始まった。
知的障がいのある人や認知症の人などが遺産分割の協議などをする際に、判断能力がないことで
不利益を被ることがないよう、家族や弁護士などが成年後見人として援助し、被後見人の財産や
権利を守るものだ。
成年後見制度の理念は、被後見人に可能な限り社会参加してもらい、能力を発揮して
もらうことにある。
ところが、現行の公選法では、制度を利用すると、被後見人から選挙権を奪ってしまう。
また、現行法では、障がいの軽重に関係なく、後見人が付いた被後見人は自動的に選挙権を
失うことが大きな問題だった。
そのため、本来は後見人が必要な人でも、成年後見制度を利用しない人が多いと指摘されてきた。
大きな矛盾である。
選挙権の行使は、「基本的人権の中でも最も重要な権利」であり、民主主義の根幹をなす事項の
一つであることは言うまでもない。
そのため、各地で選挙権の回復を求める裁判が起こされた。
そしてついに、東京地裁で今年3月、後見人が付くと選挙権を失う公選法の規定は憲法に違反する
との判決が言い渡されたのである。
当然のことと言えよう。
苦しい戦いを続けてこられた原告ご家族には、心より敬意を表したい。
しかし、憲法解釈上の争点を含む訴訟では、負けた側が上告し裁判が長期化することが多い。