先日、参院では、環境委員長の解任が行われるという異常事態が起こった。
憲政史上初のことであり、「良識の府」とされる参院において、汚点となる歴史を残したと
言わざるを得ない。
報道にある通り、その理由は、「許可された海外渡航期間を勝手に延長し、委員長という立場で
ありながら、委員会の開催を放棄したことは許されない。」というものである。
もっともらしい話だが、この背景は、それほど単純なものではない。
そもそも、今回の渡航は、今、関係がギクシャクしている隣国中国で、元外相たちが集まるアジア
国際会議が開催されることとなり、かつてその任にあった委員長に特別に許可されたものであった。
日本の国益を考えると、大変に重要な任務であった。
ところが、渡航後に、中国要人との対話のチャンスが訪れた。
しかし、その日程は、許可された期限の翌日であったことにより、委員長は日本の国益を考慮し、
滞在延長の許可を求めた。
にもかかわらず、野党はそれを認めず、帰国後、事情説明と謝罪を行った委員長を、問答無用と
ばかりに解任をしてしまったのである。
この判断の中に、参院の良識は、どこにあるのであろうか。
本来の渡航目的として、“日本の主張を政府だけでなく国会も行おう”と認めたのではなかったか。
そして、それが何よりも日本の国益にかなうと判断したのではなかったか。
まるで、正反対の行動ではないか。
そこには、自分たちの存在感を示したいという野党の党利党略が透けて見えてくる。
「決められない政治」の復活を見る思いがする。
今、参議院は不要だ、一院で十分だと言う人がいる。
確かに、今回の出来事のようなことが続くとなると、反論することは難しい。
だが、果たして、そうなのだろうか。
次回は、本来の参議院のあるべき姿を考えてみたい。