今回は、私のもう一つの専門分野でした「法律」の世界から、今の政治状況を考えてみます。
国や地方公共団体の財政運営において、その基本となる定めに「財政法」という法律があります。
この法律の第12条としてこんな条文があります。
“各会計年度における経費は、その年度の歳入を以て、これを支弁しなければならない。”
ちなみに会計年度とは、「毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わるもの」と、これも同法で
規定されています。
法律用語ですので、難しい表現ですが、ここまで読んでいただいて、「オヤッ何かおかしいな」と
感じてくださった方。
法律のセンスが、お有りだと感服します。
そうです。
政府は、2度にわたって、予算の執行抑制を行い、地方を始め、財政が大混乱となっていることは
ご存じのとおりです。
その根拠は、「特例公債法案が、臨時国会で成立しないと国庫が枯渇し、日本経済がストップする。」というものです。
しかし、先ほどの条文にそんな義務など書かれていません。
極論かもしれませんが、「予算の執行として使ったものは、年度内に手当てせよ」という意味しかありません。
これは、私たちが今、手元に現金がなくても、モノを買う方法は他にありますし、支払いについてはどうするかなどちゃんとわかっていることと同じです。
国の予算だって、使うべきお金が、あらかじめ手元に用意されていて、その手元金が無ければ何もできないなどというものではないのです。
つまり今でなくとも、年が明けたとしても通常国会で特例公債法案が成立するなら、法的には何の問題もなく、予算の執行抑制だって行う必要などなかったと考えます。
さて、長くなりましたが、今回は、法律解釈や財政テクニックを述べることがテーマではありません。
何故、政府・与党はこんな脅しのようなマネをするのか(せざるを得ないのか?)ということが、
本題です。
その理由は、たった一つ。
「今の政権に、信はない」ということです。
民主、自民、公明3党の党首が「年度内には、特例公債法案を成立させる。不要不急の予算執行は見直す。」ということで合意できれば、問題はなかったのです。
とっくの昔に、法案は通っていたでしょうし、ずれ込むことがあっても他の方法で対処でき、執行抑制などという非常手段をとる必要はなかったと思います。
ところが、今の政権では、公党間での信頼に基づいた話し合いが出来ないのです。
もともと、野党が政府・与党に反発しているのは、野田総理が「近いうちに解散する」ことで合意したにもかかわらず、先の国会で衆院を解散せず、今もって逃げに終始していることが原因です。
「近いうちに・・・」と言った政権など、外から見れば死に体です。
世界のどこからも相手にされず、内外ともに、交渉などできません。
以前にも書きましたが、政治家は「言葉」が武器であると同時に、責任を持たなければなりません。
国民の信を得た政権を作るべく、ただちに衆議院解散を決断すべきだと思います。
(※法律の解釈は、私の個人的見解であることをお断りしておきます。)