さて、民主党政権では少子化担当大臣の交代が相次ぎ、すでに9人目となっている。
これだけでも、子育て支援には、本気ではないと言っているようなものだが、民主党の「総合こども園」を柱とする子育て法案(子ども・子育て新システム関連3法案)を、見ていると、その思いをますます強くする。
「総合こども園」とは、幼稚園と保育所の機能を一本化した施設のこと。
政府は子育て法案で「待機児童の解消」や「質の高い幼児期の教育・保育の提供(幼保一体化)」をうたっているが、理解に苦しむ点が多い。
まず、「総合こども園」には、3歳未満児の受け入れ義務がない。
これでは、待機児童対策として効果は期待できない。
0~2歳児が待機児童の8割を占めているという実態を知らないのだろうか。
また、保育所への入所については、市町村の保育の実施義務を外し、責務になるということも問題だ。
新システムでは、利用者は受け入れ施設を自分で探し、直接契約を結ぶ、という状況になる。
児童福祉法に明記されている通り、市町村の実施義務は外すべきではない。
さらに、マニフェストで“幼保一体化”と言っておきながら、既存の幼稚園は残る。
保育所の移行期間も私立は3年、公立は10年。
この結果、「総合こども園」のほか、3~5歳児の幼稚園、0~2歳児の乳児保育所など、5つの形態が並存することになる。
所管も「総合こども園」は内閣府、幼稚園は文部科学省、保育所は厚労省と3元行政になり、あまりにも複雑な制度となっている。
これほど現場に、大混乱をもたらすであろうことが明らかでありながら、相も変わらず、政府首脳は、その誤りを認めようとしない。
自公政権では、就学前の子どもに幼児教育・保育を提供する機能を持つ「認定こども園」をつくり、地域の実情に応じた子育て支援の充実を図ってきた。
「認定こども園」に対しては、利用する保護者の約8割が評価し、約9割がさらに推進してほしいとのアンケート結果も出ている。
しかし、当然、見直していくべき点も残っている。
政権交代により、財政支援が十分できていなかったことと、文部科学省、厚労省という2元行政の壁を取り払えていなかったことの二つだ。
1日も早く、新システムの撤回に追い込み、子育て支援の在り方を検証していくべきだ。
