公明党は賛成を表明した。
それは、真の一国平和主義とは、自分たちさえ平和でいればよいというものではなく、国際秩序をどう創り、どのように守るのかということだと判断したからだ。
支援要請は、国連の決議として、全世界の国に発信されている。
これを無視することは、日本が平和憲法のもと、進めてきた反戦平和主義が、ただの利己主義に堕すことになる。
その結果は、日本の国際的な孤立を招くこととなろう。
つまり、日本の90億ドル支援は、決して戦費協力などではなく、世界の平和回復に向けた国連への協力費なのだと。
ただ、それでも支出にあたっては、数々の条件を付けることで、公明党の真価が発揮された。
1、使途を武器・弾薬に充当せず、人道的な費用(医療費や食糧費など)とすること。
2、日本円にして、約1兆2000億円という巨額の財源をすべて増税で賄おうとする政府に対し、政府の歳出削減で5000億円分の増税を圧縮させたこと。などなど。
この公明党の判断に対する評価は、その後の歴史が判定してくれることであろう。
今回の最後に、当時の事実のみ、書きとどめる。
世界各国では、多くのメディアが公明党の存在を取り上げた。
代表的なものとして、ニューヨーク・タイムズは、“少数政党である公明党が、日本の現代史上初めて、自民党以外の政党として、日本の政治の決定について中心的役割を果たすことになった。”と報道した。
また、NHKが行った国内の世論調査で、“90億ドル支援には、賛成か反対か。”という質問項目に対し、反対一辺倒であった世論は、賛成70%、反対28%との結果が出た。
もうひとつ、付け加えておくと。
後日のことであるが、野党第一党であった社会党は、村山政権において、一夜にして、「自衛隊は合憲、日米安保は堅持」と、政策の大転換を図ることとなる。
その結果、国民より「野合・談合政権」との批判にさらされ、結局、社会党そのものの崩壊を招くこととなった。
