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 湾岸戦争。

 言うまでもなく、イラクによるクウェート侵攻に対する多国籍軍の武力行使のことであるが、ここでは、詳細は省く。

 

 このことで、戦後日本を大きく揺るがす問題が発生した。

いわゆる「多国籍軍に対する90億ドルの支援要請」をどうするかという問題である。

 

 これに対し、社会党を始めとする主要な野党は、真剣に議論をしようとする気配は見られなかった。

 なぜならば、「自衛隊は違憲、日米安保は廃棄」との主張により、90億ドルを戦費と決めつけ、戦争協力反対の一言で片づけてしまったからだ。

 

 しかし、公明党の立場はそんな簡単なものではなかった。

 まず、湾岸戦争の10年前に、4年にもわたる党内論争により、日米安保と自衛隊政策については、現実路線への転換をすでに果たしていた。

 そのうえ、望んで得たものではなかったが第3極としての立ち位置。

世界が、公明党の判断を注視していたと言ってよい。

党としての賛否が、日本の意思を決めるという局面に立たされることとなった。

 

 ただ、賛成するには、大きな危険を伴っていた。

 党が今まで築き上げてきた『平和と福祉の党、公明党』の看板が、汚されるのではないか。

 信用回復へ、再生のスタートを切っていた党が、再び支援者の皆様に迷惑をかけることになるのではないか。

 現に、この春には、全国統一地方選も予定されていた。

 

 一方、反対するならば、世論を背景に勢いづく「戦費協力に反対」とのスローガンを掲げ、本質的な議論をしようとしない、多くの野党の中に埋没することを意味した。

 それは、キャスティングボートを握った党の主体性を放棄することに等しい。

 

 党内では、白熱した議論が連日にわたって、繰り広げられた。

そして結論として、公明党は賛成を表明することとなるのである。

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