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バックナンバー 2012年 4月 10日

 ここで年金問題を取り上げるのは、何度目になるだろう。

 それほど、一部の、スターのようにマスコミに取り上げられて「年金破たん説」をまき散らしている人物たちの害毒は深い。

 

 今回は、“AIJ投資顧問による年金資産消失問題を受け、やはり年金は破たんする!”という不安説を取り上げたい。

 まず、結論から申し上げたいが、今回のAIJ問題と公的年金制度を絡めること自体が、大きな誤解を生んでしまう原因となっている。

 そもそも年金制度は、基礎年金(いわゆる一階部分)と厚生年金(二階部分)が、前提にあって、これに更に給付を増やすために各企業が加入している厚生年金基金(三階部分)で、構成されている。

 AIJ投資顧問による運用失敗は、この三階部分にあたる厚生年金基金との関係による。

 

逆に言えば、基金自体を運用していない厚生年金加入者には、何の影響も発生しない。

 数にすると、厚生年金の全加入者、約3500万人の51%が、企業年金に加入していない。(2010年度末、厚生労働省データによる)

 ちなみに、AIJ投資顧問に基金の運用代行依頼をしたのは、48万人。

率にして1.4%となっている。

 今、全国には、約600もの厚生年金基金が存在している。

これらは、本来、国に納めるべき保険料の一部を、5.5%の金利で借り受け運用を行ってきた。

 不況とともに、運用がうまくいかず、資産を減らしてしまった基金は、その中でも三割を超えていると言われている。

 

 しかしながら、ある意味、気の毒とも言えるが、本質は自己責任の問題。

AIJによる詐欺まがいの問題とは、全く別次元の話なのである。

 これは、個人で、お金を増やそうと株市場に手を出して、たとえ失敗したとしてもだれも補てんなどしてくれないことで、理解いただけると思う。

不足分は、加入を決めた企業自身が加入者に返済しなくてはならないことは当然のことだ。

 そして、代行割れを起こした基金で、返済不可能となり給付に支障をきたした基金は今のところ、事例がない。

実際に、各基金とも頑張って返済しているのである。

 

 最後に、今まで見てきたように、年金資産消失は、企業独自の上乗せ分であった三階部分に限定される問題であり、本来の公的年金制度(一階、二階部分)の給付金とは、何ら関係はない。

 よって、このたびのAIJ問題をもって、年金制度が破たんするなどという説は、ためにする批判であると断ずるものである。

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