国立公園で地方誘客 訪日外国人の滞在促す工夫を

政府観光局が21日発表した7月の訪日客数は推計329万人だった。単月の過去最高を2カ月連続で更新し、1~7月の累計は約2107万人と過去最速で2000万人を突破した。
政府は2030年に年間訪日客6000万人の目標を掲げる。ただ、訪日客は都市圏に集中しており、住民の生活に悪影響を及ぼすオーバーツーリズム(観光公害)も指摘されている。訪日客をさらに受け入れるには、地方に誘客する取り組みが欠かせない。
そこで今、注目されているのが、日本独自の豊かな自然を有する国立公園だ。
政府は先月、国立公園の魅力を観光に生かす取り組みを発表。上質なホテルの誘致など、全ての国立公園で滞在型観光を促す事業を展開し、観光地としての“ブランド化”をめざす。
海外の国立公園では滞在型の自然体験プログラムが充実している場所が少なくない。国内でも滞在型観光は訪日客に人気がある。例えば、東北の十和田八幡平国立公園では敷地内のホテルに滞在し、コケが自生する渓谷の探索など自然体験を楽しむプログラムが好評を博している。
観光庁によると、特に海外の富裕層は、観光地を型通りに巡るより、その土地でしかできない体験を求める傾向が強いという。訪日客を呼び込む工夫に知恵を絞りたい。
国立公園には戦後、公営の国民宿舎といった宿泊施設が整備されたが、バブル経済が崩壊した1990年代以降は団体客が減少し、多くの施設が閉鎖された。
観光地の整備では持続可能性を確保することが重要だ。政府は地元と協力し、地域の発展や観光人材の育成に貢献してもらいたい。
一方、自然の保全という国立公園の本来の役割を忘れてはいけない。自然に配慮した拠点施設や体験プログラムを検討し、利益の一部を自然保護などに還元するような仕組みづくりも進めてほしい。









