防災庁の設置

災害対応に関する政府全体の司令塔となり、事前防災から災害発生時の対応、復旧・復興までを一貫して担う「防災庁」を設置するための法律が13日に成立した。防災庁の創設は公明党が強力に推進してきた。政府は11月の発足をめざしており、準備に万全を期してもらいたい。
災害対応を巡っては多くの省庁に業務が分散するため、“縦割り行政”の弊害が長年課題として指摘されてきた。そこで、防災政策全体を取りまとめる内閣府防災部門を防災庁として改編し、人員など体制を大幅に拡充した上で、専任の防災相に省庁間の調整のための勧告権を与える。
防災庁がリーダーシップを発揮し、政策を効果的に実行することが重要だ。
今回の法律で注目したいのは、防災人材の育成に向けた研修や研究を行う機関として設置予定の「防災大学校(仮称)」である。
災害発生時に、対応の主体となる自治体は通常業務と並行しながら対処することになるが、人手やノウハウは十分とは言えないのが実情だ。総務省の昨年の調査では、防災専門の職員が1人もいない市町村の数は433に上り、全体の約4分の1を占めている。
防災大学校では、自治体職員やNPOの支援スタッフらも研修の参加対象に想定しており、人材の底上げにつながることが期待できよう。災害対応に精通した人材を増やし、地域の防災力強化に生かしてほしい。
一方、避難生活による体調悪化などで亡くなる災害関連死の防止も大きな課題である。今回の法整備に伴い、災害対策基本法の基本理念には「全ての被災者が良好な生活環境を享受できる」と追記され、防災庁は避難生活の環境改善に力を入れる方針だ。
公明党は避難所で快適なトイレや簡易ベッド、温かい食事を迅速に提供できる体制の構築を訴えてきた。自宅で避難する人も含め、必要な支援が届く仕組みを整えていくべきである。
