新バリアフリー法20年 施設整備が前進、さらに加速を

行政や事業者にバリアフリー化への取り組みを求める「新バリアフリー法」が公明党の推進で成立してから、先月で20年を迎えた。
同法により、障がい者や高齢者、子ども連れなど、誰もが安心して街の中を移動しやすい社会が実現しつつある。しかし、いまだに残る障壁により、障がい者らが外出をためらうケースも指摘される。対策を一層加速させることが必要だ。
バリアフリー化を促進する法律はかつて、交通事業者向けと建築物向けがあったが、両法を統合させたのが新バリアフリー法だ。駅などの旅客施設周辺に加え、街全体を一体的に整備する狙いがある。
この20年間で大きく変わったのが鉄道の駅だ。国土交通省によると昨年3月末現在で、1日の平均利用者数が3000人以上といった主要駅のうち、エレベーターなどによって改札外からホームまで車いすで移動できたり、障がい者らに配慮したトイレや券売機、改札を設置している駅は9割を超えた。ホームドアは20年間で約4倍の1190駅に広がった。
さらに近年は、新幹線のほか、劇場や競技場などで車いす用スペースが拡充されている。
一方、建築物のバリアフリー化を巡っては課題も少なくない。
例えば、建築する際に段差解消や出入り口の幅確保などが義務付けられるのは、延べ床面積2000平方メートル以上の病院や百貨店といった大規模施設に限られており、小規模施設は対象外だ。大規模施設でも店舗内のテナントには基準が適用されず、対応は事業者や自治体任せになっている。政府は課題を整理し、有効な手だてを検討してもらいたい。
こうしたハード面の対策とともに不可欠なのが、一人一人の「心のバリアフリー」だ。困っている人への理解を深め、支え合いの行動を増やす意識を醸成していきたい。
また、障がい者や高齢者らの声を聴き、その視点を政策に生かす体制構築にも一段と力を入れるべきだ。
公明新聞2026/07/08 2面転載
