成年後見制度の見直し

■Q なぜ必要なのか?
■A 身寄りのない高齢者が増加。使いやすい制度へ転換急務
アスカ そもそも「成年後見制度」とは?
横山 認知症や精神障がい、知的障がいなどで判断能力が不十分な人の権利や財産を守るため、家庭裁判所が選任した「後見人」などが、本人に代わり財産管理や福祉サービスの手続きなどを行うものです。
高齢者の生活を支える介護保険制度とは、いわば“車の両輪”を成す仕組みとして2000年4月に始まりました。大幅な見直しは、今回の法改正が初めてとなります。
アスカ なぜ制度を見直すことになったの?
横山 背景には大きく二つの理由があります。
一つ目は、高齢化の進展に伴うニーズの多様化です。家族が遠方に住んでいたり、身寄りのない単身世帯が急増しており、従来の制度設計では十分に対応しきれなくなってきました。
二つ目は、成年後見制度の利用促進です。現在、国内の認知症の人は推計400万人以上とされていますが、実際の制度利用者は約26万人にとどまっています。より利用しやすい制度への転換が急務です。
■Q 法改正のポイントは?
■A 本人の意思尊重を明確化。費用軽減へ「終身制」廃止
アスカ 今回の改正案が成立すると何が変わるの?
横山 最大の柱は、支援を受ける本人について「個人の尊厳と意思の尊重」を明確にすることです。背景には、国連の「障害者権利条約」など、本人の自己決定権を重視する世界的な潮流があります。
現行制度は本人の判断能力に応じて、支える側は「後見」「保佐」「補助」の3類型に分かれています。しかし、後見人らが広範な代理権を持つため、本人の自己決定が必要以上に制限されるという課題がありました。そこで同法改正案では、「後見」と「保佐」を廃止し、本人の意思を最も反映しやすい「補助」に一元化します。
アスカ 費用負担が大きいことも課題でした。
横山 その通りです。もう一つの大きなポイントが、実質的な「終身制」の廃止です。これまでは一度利用を始めると、判断能力が回復しない限り、本人が亡くなるまで弁護士などの専門職へ報酬を支払い続けるケースが主流でした。
今回の改正案では、例えば介護施設に入所して、財産管理などの必要性がなくなったと家庭裁判所が判断した場合には、利用を終了できるようになります。
■Q 公明党の取り組みは?
■A 「利用促進法」成立を主導。相談窓口設置を全国で推進
アスカ これまでの公明党の取り組みは?
横山 公明党は一貫して、成年後見制度の利用促進に力を注いできました。16年に成立した「成年後見制度利用促進法」をリードしたのも公明党です。この法律を契機に、身近な相談窓口となる「地域権利擁護支援センター」などの設置が全国の自治体で進みました。各地の党地方議員も、制度の周知啓発や利用促進などを議会で訴え、推進してきました。
アスカ 今後の課題は?
横山 今回の法改正だけで全ての課題が解決するわけではありません。現在、審議されている社会福祉法等改正案に盛り込まれている単身高齢者への支援強化など、他の施策ともセットで推進していく必要があります。制度の周知啓発もさらに強化すべきです。
公明党は今後も、実務を担う関係団体と緊密に連携しながら、誰もが安心して暮らせる社会の構築に全力で取り組んでまいります。

