子どもの自殺防止へ自治体に「協議会」を 4月施行の改正法で位置付け

■個別支援の具体化図る/学校、児相など 地域の関係者が情報共有
「児童・生徒に自殺をほのめかす言動がみられた」「自殺未遂をした子どもが救急搬送された」……。学校や医療機関は、自殺リスクの高い子どもの情報をつかむことがある。ただ、個人情報保護の観点や、連携先が分からないことから、具体的な支援につながらないケースが見られる。
そこで改正自殺対策基本法には、学校、医療機関、児童相談所、民間団体などの関係機関や専門家で構成される「協議会」を市区町村や都道府県が設置できることが盛り込まれた【図参照】。
協議会の主な役割は、自殺リスクの高い子どもたちの「情報共有」を進め、「個別支援の検討」を行い、その具体化を図ることだ。
学校や医療機関などが持つ情報を共有・整理し、必要に応じて「個別ケース検討会議」を実施する。同会議では、個々の状況に合わせた▽具体的な支援の時期、方法▽関係機関の役割分担▽緊急時の連絡体制――などを協議。支援開始後のフォローアップも行う。
こども家庭庁の「ガイドライン」では、複数の市区町村による共同設置や、既存の会議体の活用なども可能としている。
協議会に対し、多職種の専門家による助言などを行うことが想定されているのが「こども・若者の自殺危機対応チーム」だ。地域の支援者を支える取り組みとして19年に長野県でスタートし、都道府県や政令市で順次、設置が進んでいる。同チームが、市区町村の求めに応じ、個別ケース検討会議に参加することなども可能だ。
こども家庭庁は今年度、協議会の円滑な立ち上げや運営支援のモデル事業を実施する。同庁の担当者は「改正基本法では、協議会の設置が“できる規定”になっているが、子どもの自殺リスクに気付き、早期に支援する仕組みとしての意義は大きい」と語る。
■公明、国会・地方議員が連携し促進
協議会については、今年3月の参院予算委員会で、公明党の谷合正明参院会長が、政府に全国の自治体への設置促進を求めていた。谷合参院会長は「子どもの命を守る取り組みとして、党の地方議員と連携し、各自治体での設置を強力に推進していきたい」と語る。
