岐路に立つ核不拡散条約 答える人=公明党核廃絶推進委員長代理(参院議員) 平木大作さん

■Q 中東情勢が緊迫している…
■A 「核なき世界」への相次ぐ逆行。際限なき軍備増強を懸念
アスカ 米国とイスラエルによるイランへの攻撃が続くなど、国際情勢が緊迫しています。
平木 2022年以降続くロシアによるウクライナ侵略により、米科学誌が発表する「世界終末時計」が残り85秒に進むなど、核兵器使用のリスクが高まっています。イランによる核開発疑惑を発端として今年2月以降継続しているイラン攻撃は、この核拡散リスクの懸念を強めるものです。
また、2月5日には米ロ間で唯一残っていた核軍縮合意「新戦略兵器削減条約」(新START)が後継条約のないまま失効しました。フランスのように核増強にかじを切る動きも出ています。こうした「核なき世界」に“逆行”する動きが相次いでいるのが現状です。
目前に迫るNPT再検討会議は、世界各国の代表が集い、核軍縮について対話できる非常に重要な機会です。際限なき軍備増強の泥沼へ突き進むのか、踏みとどまって核の脅威を直視し、軍縮への潮流を呼び戻すのか――私たちは今、重大な分岐点に立っていると思います。
■Q 日本の役割は?
■A 対立する加盟国の“橋渡し”。首相が合意形成主導すべき
アスカ なぜNPT体制が重要なの?
平木 核兵器国を含む、世界のほぼ全ての国が参加して、核軍縮を進めていく国際的枠組みだからです。
NPTは、第2次世界大戦後の米ソの軍拡競争によって核戦争の危機が現実味を帯びる中、その回避を目的として1968年に国連総会で採択されました。
その加盟国が一堂に会して、これまでの成果を振り返り、今後の取り組みを議論するのが再検討会議です。5年に1回のペースで開催されますが、直近2回は「合意文書」の採択が決裂しており、今回も採択できなければNPT体制への信認がさらに低下します。
アスカ 会議の成果へ、日本はどう動くべき?
平木 対立しやすい核兵器国と非核兵器国の“橋渡し”を行えるポジションにいるのが、唯一の戦争被爆国である日本です。公明党は国会論戦で、高市早苗首相が再検討会議に出席し、核軍縮の合意形成へリーダーシップを発揮するよう、繰り返し求めています。
■Q 核保有の検討求める声も
■A 「非核三原則」堅持示し、平和国家の立場を明確に
アスカ 政権周辺から核保有や核共有の検討を求める声が出ているけど……。
平木 非常に強い危機感を抱いています。日本政府が国是としてきた「非核三原則」を国会で初めて訴え、1971年の国会決議へと導いたのは公明党です。政府が2022年に「国家安全保障戦略」を策定した際も、公明党は、今後も日本が平和国家として歩み続けるための担保として「非核三原則は堅持する」と明記させました。
アスカ 現在、同戦略の改定が検討されています。
平木 万が一にも非核三原則を見直すようなことがあれば、核軍縮に逆行する誤ったメッセージを国際社会に発信することになります。日本政府は、この原則を堅持する方針を改めて毅然と示すべきです。
アスカ 今後に向けては。
平木 今回のNPT再検討会議で一定の成果を得ることが重要です。例えば、合意文書を最後に全会一致で採択する従来のコンセンサス方式から、部分ごとに順次、成果文書として発出する方式も考えられます。こうした具体策も含めて、引き続き政府にも強く働き掛けていきます。
