今年も危険、熱中症にならないために



■いつでも、どこでも誰でもかかる意識を
熱中症は主に真夏の間、注意する方が多いかもしれません。しかし、近年は暑い日が増えていて、長期間の対策が必要になります。
総務省消防庁によれば、昨年5~9月、全国で熱中症で救急搬送された人数は累計9万7578人となり、調査開始以降、過去最高でした。
熱中症対策でまず大切なのは、“いつでも、どこでも、誰でも”かかる可能性がある意識を忘れないことです。前日の疲れが取れていなかったり、体調が優れなかったりといった条件がそろえば、誰でも発症リスクが高まります。
その上で、かからないためには、日頃の備えが重要です【イラスト参照】。まず外出前には必ず出先の気温や湿度とともに熱中症警戒アラート、暑さ指数もチェックしておきます。
そして水分・塩分補給が基本になります。そのため、冷たい飲み物やタブレット、冷やしタオルなどの暑さ対策アイテムをそろえましょう。そして一度に多量の水分を取るよりは、喉が渇いていなくても意識して小まめに飲むことを心掛けてください。例えば、決まった時間にコップ1杯程度の水は最低限取るといったふうにです。またタブレットは塩分を補えて、スポーツドリンクであれば、糖分も手軽に摂取できます。
一方、熱中症は経口補水液を飲めばよいと考えるかもしれません。しかし、これは脱水症の改善および治療を目的としていて、脱水状態でない人が日常の水分補給として飲む物ではないため注意してください。
さらに、日傘や帽子を使って日差しを遮ったり通気性の良い服を着たりすることも効果があります。なるべく日陰になっている道を意識的に通るのも対策の一つです。
もし熱中症の疑いがある場合は、症状がひどくならないように、涼しい場所に移動する、氷で首や脇、足の付け根を冷やすなどして早めに対処しましょう。
■高齢者や子どもは周りも気に掛けて
熱中症は正しい予防・対策によって防ぐことができます。全ての世代で気を付けますが、体温調節が難しいお子さんや高齢者は特に注意が必要です。周りも気に掛けることが予防への一歩です。
また、水分・塩分補給の目安は、個人差があり、明確な基準を示すことが難しいといえます。そのため、私たちは、「熱中症セルフチェック」というコンテンツを提供しています。年代、活動レベル、現在の環境状況に回答することで算出される発汗量や体温上昇量に基づき、場面に応じた水分補給や休憩の目安を知ることができます。
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