中小企業の賃上げ促進 物価高対応 電気・ガス、燃油代補助/補正予算案が決定
政府は29日午後、総合経済対策の柱の裏付けとなる2024年度補正予算案を閣議決定した。一般会計の歳出総額は13兆9433億円。来月上旬にも今臨時国会に提出し、年内の早期成立をめざす。補正予算案には公明党の主張が数多く反映されている。
補正予算案では、企業が賃上げできる環境を整えるため、生産性向上などに取り組む中小・小規模事業者への支援に総額5600億円を計上。省力化投資支援を拡充するとともに「中小企業成長加速化補助金」を創設し、売上高100億円をめざす中小企業への設備投資などを後押しする。
また、医療・介護・障がい福祉分野の現場で働く人の賃上げを促すため、人件費にも充てられる補助金の創設などに2304億円を投じる。
将来の賃金・所得の増加に向け、成長分野では、半導体や人工知能(AI)分野を支援するため1兆円超を計上。脱炭素に取り組む自治体などを後押しする「地域脱炭素推進交付金」を365億円増額したほか、創薬支援にも462億円を充てた。
物価高対策としては、ガソリンなど燃料油価格を抑える補助金を継続するため1兆324億円を盛り込んだ。来年1月~3月使用分まで実施する電気・ガス代補助には3194億円を充てた。
さらに、自治体の実情に応じた物価高対策を実施するため重点支援地方交付金を追加。LPガス(プロパンガス)料金支援や学校給食費の保護者負担軽減などに幅広く使えるようにする。
住民税非課税世帯には3万円を給付するほか、同世帯の子ども1人当たり2万円を加算する。
■能登地域の復旧・復興を加速/学校体育館へのエアコン整備も
能登半島地震や9月の豪雨災害からの復旧・復興も支援する。災害に備え、避難所環境の改善へ、トイレやキッチンカーなどを整備。災害時の避難所となる学校体育館へのエアコン整備に779億円を盛り込み、ペースを加速させる。
また、子育て世帯に省エネ性能の高い住宅取得を促す補助制度を拡充するなど、家庭・住宅の省エネ・再エネの推進に1809億円を計上した。
公明党政務調査会は29日午前、衆院第2議員会館で部会長会議を開き、補正予算案を承認した。