短時間労働者への社会保険適用 「51人以上」企業に拡大 10月から年金・医療の保障充実/公明推進「年収の壁」対策も
非正規で働く人の待遇改善へ公明党が推進してきた、パートなど短時間労働者への社会保険(厚生年金保険・健康保険)の適用が10月から拡大し、対象の事業所が「従業員数(現在の厚生年金保険適用対象者数)101人以上」から「同51人以上」まで広がる。労働者にとっては将来受け取る年金の増額や、健康保険の充実といった利点がある。7月に公表された公的年金の給付水準見通しに関する財政検証では、年金制度の維持にも効果があるとの結果が示された。
対象となる労働者は▽週の勤務時間が20時間以上▽給与が月額8万8000円以上(年収換算で約106万円以上)▽2カ月を超えて働く予定がある▽学生ではない――の全ての条件を満たすパートなど。厚生労働省の試算によると、保険料は月収8万8000円の場合、国民年金・国民健康保険加入者は全額自己負担で1万9800円となるが、厚生年金・健康保険料は労使で半分ずつ負担するため、1万2500円となる。
厚生年金保険に加入すると基礎年金部分に厚生年金の報酬比例部分が上乗せされ、老後にもらえる老齢年金が増額。障害年金では障害等級1・2級の場合、同様に障害厚生年金の上乗せがあることに加え、老齢年金と違って加入期間が短くても300カ月分の給付が確保される。同3級の場合は障害厚生年金、それより軽い一定の障がいで一時金の支給を受けられる。遺族年金にも給付が上乗せされる。
健康保険では、業務外の病気やけがで休んだ場合に支給される傷病手当金(給与の3分の2相当)と、出産で休む場合の出産手当金(同)が受け取れるようになる。
一方、配偶者の扶養の範囲内で働く人が社会保険の適用対象になると保険料の支払いで手取りが減る「年収の壁」を巡っては、公明推進の支援強化パッケージで対応。社会保険料納付が必要になる「106万円の壁」では、手取りが減らないよう賃上げなどを行った企業に従業員1人当たり最大50万円を助成している。
公明新聞2024/09/14 1面転載