物価高から家計・中小企業を下支え


■(円安、酷暑克服へ光熱費補助)電気・都市ガス代8月から。ガソリン・灯油など年末まで
例年以上といわれる今夏の酷暑を乗り切るため政府は、緊急支援策として8月使用分から3カ月間、電気・ガス代の負担軽減策を実施します。一般的な家庭で電気の月間使用量が400キロワット時、都市ガスが30立方メートルとすると、補助額は合わせて月2125円となります。
軽減策は、家庭や企業を対象に8、9月使用分の電気代を1キロワット時当たり4円(低圧電力の場合)、都市ガス代を1立方メートル当たり17・5円補助。10月は電気を2・5円、ガスを10円に減額して補助を行います。また、ガソリンや灯油代の高騰を抑制するための補助金も年末まで継続します。
軽減策を巡り公明党は6月27日、岸田文雄首相に対し、物価高対策に関する緊急提言を実施。酷暑で健康に影響が及ばないよう、エアコンの利用を、ちゅうちょすることがあってはならないと指摘するとともに、4月以前の水準(電気は3・5円、都市ガスは15円)を超える助成が必要だと要請していました。
また、LPガス(プロパンガス)や特別高圧電力の利用者への支援も提言。岸田首相は、提言を踏まえ対応を進める考えを示しています。
政府は、秋に第2弾の経済対策として、年金生活者や低所得者を対象とした給付、地方に対する支援も実施する方針です。
■(賃上げの流れ後押し)促進税制を抜本的に拡充。「地方版政労使会議」全国で
物価上昇を上回る賃上げ実現に向け鍵を握るのは、雇用の7割を占める中小企業の賃上げです。公明党は昨年、政府に提出した「中小企業等の賃上げ応援トータルプラン」を基に、予算の拡充や税制面での制度改革を主導してきました。
2024年度税制改正では、企業の税負担を軽減する「賃上げ促進税制」を抜本的に拡充。法人税の最大控除率を45%に引き上げたほか、赤字企業に対する5年間の税控除の繰り越し制度を新設しました。賃上げがテーマの「地方版政労使会議」も全都道府県で開催し、機運醸成に努めました。
こうした結果、連合が発表した24年春闘の平均賃上げ率は、5・10%と33年ぶりの高水準を記録。中小組合も4・45%の高い伸び率となりました。一方、厚生労働省が8日に公表した5月の毎月勤労統計調査では、実質賃金が26カ月連続のマイナスに。さらなる賃上げの加速化が急務です。
現在、今年度の最低賃金の目安額を議論中です。公明党は過去最高の引き上げとなった昨年度を上回る水準の実現を後押しします。
■(定額減税で手取りアップ)所得税・住民税を計4万円減税/所得の低い世帯には給付
今年6月から定額減税がスタートし、「手取りが増えた給与明細を見て実感が湧いた」など喜びの声が上がっています。
納税者本人と配偶者を含む扶養親族1人につき所得税3万円、住民税1万円の計4万円を減税。国内居住者で合計所得金額が1805万円以下の人が対象です。物価高に対応するため、公明党が昨年、政府に要請して実現しました。賃上げが物価高に追い付くまでの間、家計の所得を直接的に支える効果が期待されます。
例えば、給与所得者の場合、所得税は6月以降の給与や賞与支給時の源泉徴収税額から減税。住民税は6月分を徴収せず、年間税額から定額減税分を控除した残りを7月からの11カ月間で均等に徴収します。年金受給者や個人事業主も減税されます。
1人当たりの年間の納税額が、所得税3万円・住民税所得割1万円に満たない人には、減税し切れないと見込まれる額が1万円単位で切り上げて給付されます。
一方、住民税非課税など、定額減税の恩恵が受けられない世帯には、計10万円の給付を実施。住民税均等割のみ課税される世帯や、これらの給付の対象外で今年度から新たに住民税非課税や均等割のみ課税世帯になる場合も10万円を給付します。18歳以下の子どもがいる低所得世帯には、子育て支援として1人当たり5万円を上乗せします。