公明党は現職の小池百合子氏を自主的に支援
公明、首相に緊急提言 円安、酷暑克服へ支援を 電気・ガス代補助、8月から/ガソリンなど燃油料金の抑制続けよ
冒頭、上田氏は、円安基調の中で物価が高騰し、家計が苦しくなっている現状や、これから厳しい暑さが予想されていることに言及。「健康に影響が及ばないよう、エアコンの利用を、ちゅうちょするようなことがあってはならない」とし、必要な対策の実施を求めた。
■中小企業、LPガス利用者の負担も軽く
提言では、電気・都市ガス料金の負担軽減策について、8月から10月の使用分まで可能な限り速やかに対策を講じるよう要請。これらの軽減策が必ずしも行き届いていない地域や中小企業・小規模事業者らの実情を踏まえ、特別高圧電力、LPガス(プロパンガス)利用者の負担軽減につながる支援策継続の検討を求めた。
燃料油価格の激変緩和措置については、為替の影響が大きく、原油価格の高騰が続いているとし、家計や事業者が今後の見通しを立てやすくなるよう、年末までの延長を要望。軽油や灯油、重油、航空機燃料、タクシー事業者用のLPガスについても、これまでと同様に支援対象とするよう訴えた。
提言ではこのほか、物価高騰の影響が大きい年金生活者や所得が低い世帯への追加負担軽減策について検討すべきだと主張。中小企業・小規模事業者、医療・介護・福祉事業者などや、家計に急激かつ過度な負担が生じないよう、エネルギー価格の動向や経営環境、地域の実情などを慎重に見極めつつ、必要な対策を求めた。
一方、27日午前、東京都新宿区の党本部で開かれた中央幹事会で山口那津男代表は、「円安が続いて輸入価格が高騰し、電気、ガス代など諸物価の高騰につながって国民生活を圧迫している」と指摘。また、今夏が例年より厳しい暑さとなり、秋まで続くとの気象予報に触れ「電気代がかさむことを恐れてエアコンを使用せず熱中症になったり、それが原因で亡くなる人が出る事態は絶対に避けなければならない」と力説した。
その上で、今回の負担軽減策について「今夏の特殊な状況、円安の影響を受ける経済全般の課題を見据えた上で、酷暑克服のための支援策を講じる」と強調した。
「育成就労制度」Q&A 技能有する外国人材確保/「1~2年」後の転籍可能に
Q 「育成就労」とは。
A 現行の技能実習制度を廃止し、外国人材の確保・育成を目的とした在留資格です。外国人材の職業訓練の充実と労働環境の改善を図り、日本が働き先として「選ばれる国」をめざします。労働力不足の解消にもつながると期待されています。
Q 改正の背景は。
A これまでの技能実習は、日本の技術を母国で生かす「国際貢献」が目的でしたが、実際は実習生を不当に扱うケースがありました。違法な長時間労働や賃金不払いなどがあっても、原則として「転籍」(転職)が認められておらず、失踪する事例もありました。
Q 新制度のポイントは。
A 受け入れる外国人材を3年間の就労で、技能や日本語能力が一定以上ある「特定技能1号」の水準に引き上げ、中長期的な在留につなげます。より熟練した技能を持つ「2号」の取得で、在留資格の更新制限がなくなり、家族帯同や事実上の永住が可能になります。
転籍に関しては、制限期間を「1~2年」に緩和し、同じ産業分野での転籍を可能とします。その際、悪質なブローカーが仲介しないよう、当面は監理支援機関とハローワークが対応します。
■公明主張、永住取り消しに配慮規定
Q 税などの納付を故意に怠った場合に永住許可を取り消せる規定も盛り込まれました。
A この規定を巡っては、永住者などから、収入減少や手続きミスで少しでも税を滞納すると「在留資格が取り消されるのでは」との懸念が上がっていました。これについて岸田文雄首相は、公明議員の国会質問に対し「(取り消しは)一部の悪質な場合」に限られるとして「大多数の永住者に影響を及ぼすものではない」と答えました。
Q 公明党の主張は。
A 公明党は法案審議を通じて、外国人の人権保護の観点から永住権の適正化の重要性を主張。その結果、改正法に永住許可の取り消しを検討する際、納税状況や生活状況などに「十分配慮する」ことが明記されました。
出産費用の保険適用 負担なく安心して産める社会に
政府が2026年度からの導入をめざす出産費用の健康保険適用に関し、厚生労働省とこども家庭庁は、きょう26日に有識者検討会の初会合を開く。出産支援のさらなる拡充に向け、公明党が政府に本格的な検討を要請していたものだ。
出産では帝王切開の場合などに健康保険が適用されるが、正常分娩は病気やけがに該当しないといった理由から適用されない。このため、正常分娩は医療機関ごとに価格を自由に設定でき、費用にばらつきが生じる要因となっている。
とりわけ目立つのが地域差だ。厚労省によれば、22年度の正常分娩の費用は全国平均で約48万2000円だった一方、都道府県別では最も低い熊本県が約36万1000円なのに対し、最も高い東京都は約60万5000円と1・7倍近くも開きがあった。
物価高騰や人件費の増加などの影響で、出産費用は上昇傾向にある。子どもが産まれた世帯に支給される出産育児一時金は、公明党の推進で段階的に拡充され、23年度からは子ども1人につき原則50万円に増額されたが、足りずに自己負担が生じている場合も少なくない。一層の改善策を講じる必要がある。
保険適用になれば、出産費用は全国一律の公定価格となる。原則3割の自己負担が生じるものの、政府は一時金と同様の仕組みで標準的な費用を賄えるようにするという。実質無償化をめざすことが大切だ。
一方、医療機関によっては、公定価格が現在の費用を下回れば経営悪化につながり、分娩に対応することが困難になる懸念がある。各地の医療継続にも配慮した制度設計が求められる。
検討会では保険適用のほか、周産期医療提供体制のあり方や、妊娠・産前産後支援のさらなる強化策についても協議する。
妊産婦を巡る現場の課題を共有し、安心して出産を迎えられる環境を整えてもらいたい。
政治改革 政規法改正、公明党の闘い 自公協議 一貫した主張、首相動かす/第三者機関の設置、決断導く
5月30日午前、公明党本部4階。党代表の山口那津男は中央幹事会の冒頭、まなじりを決して切り出した。「自民党の修正案は、そのまま賛同することはできない」
自民党が前日に提示した修正案には、公明党が一貫して訴えてきた改革案が反映されていなかった。国民の政治不信が高まる中、この修正案では国民は到底、納得できない――。山口は政治改革への断固たる決意を込めて言い切った。
今回の問題を重く見た公明党は1月18日、他党に先駆けて「政治改革ビジョン」を発表。政治家の責任・罰則強化に加え、政治資金パーティー券購入者の公開基準額を「5万円超」に引き下げることや、議員が政党から受け取る「政策活動費」の使途公開など政治資金の透明性を高める再発防止策を打ち出した。
通常国会が始まり、衆参両院の政治倫理審査会で関係議員の弁明が行われた後、まず動いたのが公明党幹事長の石井啓一だ。自民党幹事長の茂木敏充と4月16日に会談し、自公協議で与党案を早期に取りまとめる方針を確認した。
ただ、いくら待っても自公協議で自民党から具体案が示される気配はない。石井は19日午前、実務者に具体策を出すよう自民党側に伝えるよう要請。これに慌てた自民党は、23日に自民党案を公表した。
そこには、公明党が提案していた政治家の罰則強化などは盛り込まれていたが、肝心のパーティー券購入者の公開基準額引き下げや、政策活動費の使途公開は「検討項目」とされていた。
「公明党の案はどうしても受け入れられない」と繰り返す自民党。国会での審議を考えると、残された時間は少ない。石井は今後の与野党協議の場で野党の意見も聞き入れながら公明案を実現させようと、一部課題を残したまま自民党と大筋合意することを決断。5月9日、取りまとめ文書にサインした。
17日、自民党は改正案を衆院に単独提出。委員会で質疑を一通り終え、与野党は28日、修正協議へ。公明党などの修正要求を受け翌29日、自民党は修正案を示した。
ここにきて一部のマスコミは「公明賛成へ」と一斉に報道。だが公明党内には自民修正案を容認する意見は一切なかった。公明党の実務者として自民党との交渉に当たった中川康洋らは「まだ闘いは終わったわけではない」と決めていた。
■パーティー券の公開「5万円超」で決着
そして30日。山口は自民修正案に賛同できないと断言。その夜、山口に首相官邸から「あす午前、自公党首会談を行いたい」と連絡が入った。翌31日、党首会談が行われ、席上、首相の岸田文雄は、パーティー券購入者の公開基準額について「『5万円超』に修正したい」と表明。政策活動費をチェックする第三者機関を設置すると英断した。
■「公明案丸のみ」との報道も/通常国会での成立に道筋
これを翌6月1日付の各紙は「首相、公明案丸のみ」(朝日)などと大々的に報道。「今国会中の法改正に道筋を付けた」(毎日)ことで、19日、最終的に公明党の主張を全面的に反映した改正法が成立した。
成立後、山口は国会内で記者団に、力を込めて語った。「改正政規法を政治への信頼回復の第一歩として実行し、国民に見てもらうことが重要だ。不断の改革を一歩一歩着実に進めていく」
■Q パーティーや企業・団体献金は禁止しないの?
■A 再発防止で重要なのは、議員の責任強化と政治資金の透明性向上。民主党政権でできなかった改革を実現しました。
改正法の目的は、自民党派閥の政治資金問題の再発防止です。不正に対する抑止力を高めるとともに、政治資金の透明性を向上させ、二度と同じような問題を起こさせないことが重要です。
改正法には、会計責任者だけでなく議員本人も責任を負う、いわゆる「連座制」の強化が盛り込まれました。これは公明党が2009年に提出した法案と同趣旨のもの。当時、与党第1党だった民主党などがなかなか審議に応じず、廃案になりましたが、今回、民主党政権でできなかった改革が15年を経て実現しました。
政治資金の透明性確保では、パーティー券購入者の公開基準額を「5万円超」に引き下げるとともに、支払いを原則、口座振り込みに限定。収支報告書のオンライン提出の義務付けなどの改革も前進しました。
国会審議では参考人の識者から「規制強化も必要だが、政治資金の透明化に何よりも力を注いでほしい」といった意見がありました。
企業・団体献金の廃止に関しては、お金のかからない政治のあり方を幅広く検討する中で模索すべきテーマです。
■Q 「第三者機関」は、本当に実現するの?
■A 今回の法改正は、改革の第一歩。第三者機関は、設置することが決まり、党PTで制度設計を進めます。
今回の法改正は、政治改革の“第一歩”です。付則に盛り込まれたものも含め、公明党は、改正法に盛り込まれた具体策を着実に実施していくためのプロジェクトチーム(PT)を設置し、「真に実効性の高い法律に仕上げていく」(石井啓一幹事長)方針です。
中でも詳細を詰めなければならないのは、政治資金に関する独立性を確保した「第三者機関」です。公明党が提案し、実現を粘り強く訴えたことで、岸田文雄首相から「政策活動費をチェックする第三者機関を設置する」との決断を引き出し、法律に「設置する」と明記されました。
設置時期についても、国会審議の中で、公明議員の質問に答える形で、岸田首相が「(施行日の)2026年1月1日を念頭に」と明確に答弁しました。
公明党は、同PTで第三者機関のあり方を含めて精力的に議論し、詳細な制度設計を進めていきます。
■Q 「10年後に政策活動費の領収書公開」は意味あるの?
■A 自民と維新の間で合意したこと。第三者機関で毎年、厳しくチェックする方が効果的です。
議員が政党から受け取る「政策活動費」について、「10年後に領収書などを公開する」とした案は、自民党と日本維新の会の間で合意したもので、公明党は全く関与していません。
政策活動費について、公明党は、これまで一切支給していませんが、使い道が明らかにされていないため“ブラックボックス”になっていると考え、使途公開の必要性を訴え続けました。その結果、政策活動費を「どのような目的で、いつ、いくら使ったか」が分かるように、受け取った議員が「項目別の金額」と「年月」を報告し、政党の収支報告書に記載することになりました。
政策活動費のチェックについては、10年後に公開された領収書を見るよりも、第三者機関が毎年、厳しくチェックしていく方が効果的です。こうした考え方については、岸田首相も「収支報告書の記載内容の信頼性を確保する意味で、十分検討に値する有意義な意見だ」と述べています。
■Q 衆院で賛成した維新が、参院で反対に回ったのは?
■A 維新の迷走は不可解。法案の内容が変わっていないのに、同じ党で衆参の対応が分かれるのは異例です。
日本維新の会は、衆院では改正案に賛成したにもかかわらず、参院での採決では反対に回りました。法案の内容は変わっていません。それなのに、同一の党で衆参の賛否が分かれるのは異例のことです。
マスコミ各社からも「維新 対自民で混迷」(19日付「毎日」)、「衆院と参院で賛否が異なった日本維新の会の迷走ぶりが際立った」(21日付「日経」)などと厳しい見方が示されました。
維新はさらに、首相への問責決議案を提出しましたが、他党が同調することはなく、不発に終わりました。維新のちぐはぐで一貫性のない対応には、野党からも疑問の声が上がりました。
中小企業の人手不足解消へ 25日から公募開始/申請簡素化 製品をカタログに
補助金は公明党の主張を受け、中小企業が製品を選択・導入しやすくなるよう、対象製品を業種ごとにカタログに掲載。申請書類をA4用紙1枚程度で簡素にし、2~3カ月を要する交付審査期間を不要とすることで手続きを迅速化した。中小企業の賃上げ実現へ、人手不足解消につなげ生産性向上を後押しする。
現在、カタログに登録されている製品は、▽清掃や配膳ロボット▽プログラム機能付き調理器具▽無人搬送車▽自動精算機▽券売機――など90製品。中小企業庁は今後、選択肢を増やすために順次、拡大していく予定だ。
補助上限額は200万~1000万円で、従業員数ごとに異なる。例えば、従業員5人以下の企業の場合、補助上限額は200万円で、補助事業実施期間内に給与支給総額年率6%の賃上げなどの要件を達成すれば、同300万円となる。申請受け付けには、事前に「GビズIDアカウント」の取得が必要となる。
中小企業庁では、同補助事業の概要や申請手続きなどをまとめたチラシを同庁ホームページに公開。制度を周知する目的であれば、チラシを印刷して手渡ししたり、チラシのデータをメール送信やSNSに投稿したりすることが可能だ。
■公明、経営者目線で推進/党経済産業部会長 中野洋昌衆院議員
公明党は、中小企業の経営者から特に多く寄せられた人手不足の課題に対応するだけでなく、生産性向上も進める観点から、省力化投資補助金の実現を進めてきた。
党として昨年10月に発表した「中小企業等の賃上げ応援トータルプラン」でも、小規模事業者が特に利用しやすい支援に向け、簡易で即効性のあるカタログ作成を要請。国会論戦でも「ニーズに合わせた、きめ細かな制度設計を」などと訴えてきた。
今後は、周知広報の強化はもちろん、経営者目線から使い勝手がいい制度かどうか、しっかりチェックし、カタログのさらなる充実などを政府に求めていきたい。
デジタル人材育成へ職業訓練が好評 女性再就職向けに670人募集/東京都
結婚や出産などで離職して再就職をめざす女性向け事業として本年度からバージョンアップした「女性デジタルカレッジ事業」では、5日間の「入門コース」と15日間の「基礎・応用コース」の講座を用意。670人まで募集を呼び掛けている。
講座は都内の各会場ごとに実施し、ワードやエクセルの基本操作から人工知能(AI)の使い方まで幅広い内容に。就職支援や託児サービス、講座終了後のフォローアップなど手厚い無料のサポートが人気の理由だ。このほか、都はプログラミングのスキルを学んでIT業界への就職をめざす「デジタル人材育成支援事業」なども実施している。
デジタル人材の育成については、都議会公明党(東村邦浩幹事長)が推進。特に2022年3月定例会などで女性がデジタル分野の職業訓練を受けられる伴走型の支援を求めてきた。
両院議員総会 党幹部あいさつ(要旨) 物価高追加策、実行早く 公明推進の地雷除去支援、国際会議、日本で開催へ/山口代表
政治資金規正法の改正では、いわゆる「連座制」の強化という形で再発防止策の最大の眼目を作り上げた。またパーティー券購入者の公開基準額を「5万円超」に引き下げた。政党から議員が受け取る「政策活動費」については「項目別の金額」と、支出した「年月」の公表に加え、第三者機関がチェックする仕組みを整え透明化を図った。
政府提出法案のうち、わが党が最も力を入れたのは、改正子ども・子育て支援法だ。公明党は「子育て応援トータルプラン」で具体策を提案し、それを実施する法律として成立させた。(児童手当の拡充など)給付により、子育て世帯に大きな利益が及ぶ。
物価高対策を巡っては21日午前、岸田文雄首相から「電気・ガス料金の支援策を考える。ガソリン代の負担軽減策も年末までやる。秋には年金生活者や低所得者などに対する経済対策を考えたい」と電話があった。政府の具体策を見極めて、早く実施していきたい。
戸籍上の性別変更に関する法律の規定については、昨年10月に最高裁で一つの条件が「違憲」と判断された。政府は立法措置を取る責任が生じているが、その取り組みはなされていない。与党として責任を果たしていく必要がある。
会期中には先進7カ国首脳会議(G7サミット)とウクライナを巡る平和サミットが開催された。特に公明党が推進してきたウクライナの地雷除去を支援する日本主催の国際会議も(2025年に)開かれる見通しとなった。岸田首相の訪米で日米関係が強化されたほか、日中韓首脳会談が行われたことも重要だった。
一方、各地の地方選で与党が苦戦を強いられる中、沖縄県議選で公明党は全員当選を果たした。20日からは東京都知事選もスタート。実績のある小池百合子知事を勝たせて政策を前へ進めたい。