飲酒ガイドライン案
Q 飲酒に関する政府初のガイドラインが作成されるそうだが、どのような内容か。
A 厚生労働省の検討会で現在、作成に向けた議論が進められており、5日にガイドライン案が示された。具体的には、①飲酒による身体などへの影響②飲酒量(アルコール量)③飲酒に関する留意事項――で構成され、年齢や体質に応じた健康への影響や留意すべき飲み方の目安などを示している【表参照】。
例えば、高齢者は若い時に比べて酔いやすく、酒量が一定を超えると認知症の発症や転倒などのリスクが高まると指摘。また女性は一般的に、男性より体内の水分量が少なく、分解できるアルコール量も少ないため、男性より少ない量かつ、短い期間の飲酒でアルコール性肝硬変になる場合があるとしている。
Q 飲酒量については。
A 「単にお酒の量(ミリリットル)ではなく、お酒に含まれるアルコール量(グラム)について着目することは重要」と強調している。その上で、厚労省が示す「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」が「1日当たりの純アルコール摂取量が男性40グラム以上、女性20グラム以上」であるとし、より少ない量での飲酒を心掛けることは、生活習慣病リスクの上昇を抑えることにつながるとしている。
Q ガイドライン作成の背景は。
A 近年、アルコール性肝疾患の死亡数が増加しており、その大半は、飲酒の継続によって発症するアルコール性肝硬変であることが判明している。また、生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している女性の割合が増え、「ストロング系」といったアルコール度数の高い商品も多い。このため、飲酒に関する適切な情報提供が重要になっている。
政府の「アルコール健康障害対策推進基本計画」では、飲酒のリスクに関する知識の普及を推進するため、ガイドラインの作成を定めている。今回の案への意見公募を経て秋以降に決定する見通しだ。