インフルエンザ流行 今からでもワクチン接種を
季節性インフルエンザの流行が全国的に拡大している。警戒を強めたい。
厚生労働省によると、先月22日までの1週間の患者数は全国で4万7366人に上り、1定点医療機関当たり9・59人となった。これは、4週間以内に大流行が起きる可能性を示す注意報の水準(1医療機関当たり10人)に迫る。
また国立感染症研究所は、今シーズンに医療機関を受診した患者数は約89万4000人、先月22日までの1週間だけで約28万7000人と推計している。
新型コロナの感染拡大前は、推計で毎シーズン1000万~1500万人程度の患者が出ていただけに、今後、患者数の増加が加速する恐れがある。
インフルエンザの流行は3年ぶりだ。この間に免疫力の低下した人が増え、今回の感染拡大につながったとみられている。
インフルエンザの予防にはワクチンの接種が有効だ。専門家は現在が流行の初期段階とみており、今からでも遅くないとして接種を呼び掛けている。
ワクチンには予防だけでなく重症化を抑える効果もあるので、高齢者や妊婦、基礎疾患のある人の接種は特に重要だ。感染すれば肺炎や脳症など重い合併症にかかるケースがある。抵抗力の弱い子どもの感染にも注意が必要だ。
また、インフルエンザは主にせきや、くしゃみによる飛沫、患者との接触などで感染する。小まめな手洗いのほか、加湿器などによる室内の乾燥防止、人が多い所でのマスク着用などを心掛けたい。
インフルエンザの主な症状は、38度以上の急な発熱や頭痛、全身の倦怠感などだ。症状が重い場合は早めに医療機関を受診する必要がある。コロナ禍もあり、感染の有無を家庭で確認できる検査キットを用意してはどうか。新型コロナの感染も同時に調べられるキットも市販されている。
流行のピークはまだ見えない。政府は、感染状況に関する情報発信や予防接種の推奨などに一層努めてもらいたい。
公明新聞2023/02/03 2面転載