正しく知ろう健康食品 病気の予防治療を期待しない
――健康食品について、私たち消費者が勘違いしやすいことは何でしょうか?
健康食品が“薬”のように、病気の予防や治療に役立つと思っている人が少なからずいます。しかし、あらゆる健康食品は、健康増進・維持が目的で、病気の予防治療をめざすものではありません。「○○が治る」「○○に効く」などの効果を期待してはいけません。
――そもそも健康食品とは何ですか?
健康食品は、あくまでも食品で、薬ではありません。国が定めた安全性と効果に関する基準に従って、機能性を表示することができる「保健機能食品」と、表示できない「いわゆる健康食品」に分かれます。保健機能食品は、さらにの三つに分類されています。
――正しく利用するためのポイントは?
健康食品には、特定の栄養素や成分が濃縮されています。用法用量を守らなければ摂取量の上限を容易に超え、自己判断で何種類も飲むと健康被害を引き起こすリスクもあります。原料が天然由来であれば、安心だとも言いきれません。
思うように食事ができない高齢者にとっては、「不足しがちな栄養素を補う」という使い方はあるかと思います。しかし、健康のためには、あくまでバランスの取れた食事が基本です。健康食品は補助的なものに過ぎないのです。
自分に必要な成分や量を知るためには、かかりつけの医師や薬局の薬剤師などに相談しましょう。
食品ごとにその安全性や有効性を国が審査し、許可します。「コレステロールの吸収を抑える」といった表示がされています。通称「トクホ」といわれ、ペットボトルのお茶が有名です。
■栄養機能食品
ビタミンやミネラルなど科学的な根拠が既に確認されている栄養成分を一定量含みます。一日に必要な栄養成分が不足しがちな場合、その補給補完のために利用します。
■機能性表示食品
メーカーの責任において「食後の血糖値の上昇を抑える」などの科学的根拠に基づいた機能性を、国に届け出て表示できます。審査はありません。パンとして販売されているものもあります。
■いわゆる健康食品
栄養補助食品や健康補助食品、自然食品などの名称で呼ばれます。パッケージに機能性などは表示できません。