こどもホスピス 全国普及へ取り組み強めたい
小児がんや難病などを患う子どもと家族を支える「こどもホスピス」。その全国的な整備に向けた取り組みを進めたい。
自民、公明の与党議員でつくる「『こどもホスピス』を応援する議員連盟」が11月17日に設立された。公明党からは高木陽介政務調査会長が顧問に、竹谷とし子参院議員が事務局長に就いた。
こどもホスピスは1980年代に英国で始まり、欧州を中心に広がった。
みとりが主な目的である大人のホスピスと違い、子どもの成長に応じて遊びや学びの場も提供することが特徴だ。滞在型や通所型といった、さまざまな形態がある。
英国には、こどもホスピスが50カ所以上ある。これに対し日本は数カ所にとどまるとされる。国の担当部署がなく明確な定義もないのが現状だ。
しかし、わが国では、病気で亡くなる18歳以下の子どもは年間に2500人を超え、治療が困難な病気を抱える子どもは、約14万人以上いるともいわれている。
このため、こどもホスピスの増設や運営に対する支援を求める声が高まっており、今回の与党議連発足につながった。
公明党は、こどもホスピスの全国普及を訴え、当事者や関係団体と意見交換を重ね、政府に取り組みを求めてきた。
来年4月に発足する「こども家庭庁」の基本方針に、こどもホスピスに関して検討する趣旨が盛り込まれたのは、公明党の主張を受けたものである。
その後も、関係省庁連絡会議が開かれるなど、政府は取り組みを加速させている。
NPO法人「東京こどもホスピスプロジェクト」の佐藤良絵代表理事は本紙の取材に対し、「亡くなるまで子どもが自分らしく過ごし、家族と楽しい思い出を残せる居場所」と、こどもホスピスの意義を強調している。
こうした思いを受け止め、今後の支援策づくりに反映させたい。
公明新聞2022/12/02 2面転載