物価高騰で党提言 国民の暮らし守る具体策示す
公明党は28日、物価高騰から国民の暮らしを守るための緊急提言をまとめ、岸田文雄首相に申し入れた。これを受けて首相は翌29日の閣僚懇談会で、「総合緊急対策」を4月末をめどに取りまとめるよう指示した。
ロシアのウクライナ侵略を受け、原油や食料品などの高騰が続き、家計や中小企業などに幅広く影響が出ている。円安も進み輸入品の価格上昇に拍車がかかる。
このため今回の緊急提言では、「今後の展開次第で戦後最悪の危機を招く恐れがある」として必要な具体策を示した。政府の経済対策にしっかり反映してもらいたい。
提言の柱の一つは、燃料油価格の激変緩和のための石油元売りに対する補助金などの延長・拡充と、ガソリン税を一時的に引き下げる「トリガー条項」の凍結解除といった原油高騰対策である。
このうち「トリガー条項」の凍結解除については自民、公明の与党と国民民主党による検討チームの議論を踏まえるよう要請。凍結解除による地方税収の減収分は国が補塡することも求めている。
もう一つの柱は、ウクライナ危機の長期化など、あらゆる事態に迅速かつ柔軟に対応できるよう、経済対策の財源として補正予算の編成を訴えていることだ。
山口那津男代表は29日の会見で「先手、先手で国民に不安を生じさせない積極的な姿勢が大事だ」と述べ、補正予算を今国会中に成立させるべきだとの考えを示している。
このほか提言では、灯油など燃料費の上昇による生活者や事業者の負担軽減のため自治体が実施する取り組みに対し、「地方創生臨時交付金」を大幅に拡充するよう主張。小麦などの穀物に加え、飼料や肥料の価格上昇の影響を緩和する措置なども要望した。
29日に開かれた党国民生活総点検・緊急対策本部の全国会議で山口那津男代表は、「公明党のネットワークの力を生かして国民生活の実情をしっかりつかんでいこう」と呼び掛けた。公明党は今回の緊急提言を“第1弾”と位置付け、さらに現場の声を聴き、追加の提言を行う方針だ。
「国民生活を断じて守る」との決意で、公明党は対策に全力を挙げる。
公明新聞2022/03/31 2面転載