来年度予算案 コロナ克服、成長と分配に重点
20日に成立した21年度補正予算と一体の「16カ月予算」として編成されたのが特徴だ。切れ目なく迅速に予算を執行し、コロナ禍で傷んだ経済、暮らしの再建を急ぐ。
22年度予算案は、新型コロナ対策に万全を期しつつ、「成長と分配の好循環」を生み出すことに重点を置いている。公明党の主張が随所に反映されており、年明けの通常国会で早期成立を期したい。
一般会計の総額は約107・6兆円となり10年連続で過去最大を更新した。
ただ、企業業績の回復を背景に税収も過去最高の65・2兆円が見込まれ、その結果、歳入不足を補う新規国債の発行額を21年度予算より6・6兆円以上抑えたことは評価すべきである。
目下の最重要課題であるコロナ対策では、21年度予算と同額の5兆円の予備費を確保した。予期せぬ状況変化に機動的に対応するために重要だ。ワクチン・治療薬の研究開発や医療体制を拡充する費用なども盛り込まれている。
「成長と分配の好循環」に向け、新たな成長の原動力となるデジタル化とグリーン化(温暖化対策)を強力に進めることにも注目したい。特に、新技術の研究開発を推進する科学技術振興費として計上された約1・4兆円は過去最高額だ。
一方、分配政策の一環として、看護や介護、保育・幼児教育などの現場で働く人の給与を3%引き上げる。少子高齢社会を最前線で支える働き手の処遇改善を進め、人手不足の解消につなげたい。
公明党は、生活困窮者や孤独・孤立に苦しむ人への目配りも強く訴えてきた。その結果、住居確保を柱とする困窮者の自立支援や、自治体と連携したハローワークでの就労支援などが盛り込まれた。
また、家族の介護や世話を担う18歳未満の「ヤングケアラー」を福祉サービスにつなげるコーディネーターを配置するほか、ガードレール設置など自治体による通学路の安全対策の補助も創設する。
公明党の竹内譲政務調査会長が「国民に希望と安心を届ける内容」と強調しているように、危機克服と日本再生へ力強く歩みを進めたい。
公明新聞2021/12/29 2面転載