新型コロナワクチン 9000万回分を日本で生産 英アストラゼネカ/公明、安定供給へ道開く
英製薬大手アストラゼネカが日本に供給する新型コロナウイルスワクチン1億2000万回(6000万人)分のうち、9000万回(4500万人)分を日本国内で生産することが明らかになりました。加藤勝信官房長官が28日の記者会見で、同社から厚生労働省に、その旨の報告があったことを発表しました。各国間で“ワクチン争奪戦”の様相を呈する中、海外ワクチンを一定量、国内で生産して安定供給する取り組みが進む背景には、公明党の尽力がありました。
ワクチンを巡り、昨年前半の段階で日本は、国内開発への支援に偏るあまり、先行する海外開発品の確保に向けた交渉が遅れていました。アストラゼネカも、既に米英欧や低中所得国支援などの確約分で、同社が世界に供給を約束していた「20億回分」を超過。日本は同社との交渉で「ワクチンの原液を輸入できないリスクに備えて、国内で一から製造する」といった複数の選択肢を示す必要がありましたが、財源の裏付けがなく、交渉がはかどらない状態でした。
公明党は、アストラゼネカ日本法人の役員ら関係者への聞き取りなどを通じて実情をつかみ、昨年7月の参院予算委員会で秋野公造氏が、海外ワクチン確保のための予算確保を主張。当時の稲津久厚労副大臣(公明党)が政府として初めて「予備費の活用」も含めて対応すると表明しました。
さらに公明党は同月、海外ワクチンを輸入するだけでなく、ワクチン原液を国内で製造して製剤化することも選択肢に入れた取り組みを進めるよう政府に提言。こうした動きを契機に国の交渉が一気に前進し、日本はアストラゼネカと契約を締結。このほか米2社とも契約し、3社から合計3億1400万回(1億5700万人)分の供給を受けることとなりました。
これに加えて、日本は公明党の主張を受け、低所得国も含めてワクチンを広く供給する国際枠組み「COVAXファシリティー」にも、先進国の中でいち早く参加を表明。多くの国が続く流れをつくりました。
秋野氏は「ワクチン確保に向けて公明党は、政府に予算を確保させて①海外メーカーとの交渉進展②海外ワクチンを国内生産して安定供給する体制の構築③低所得国と共に共同購入する枠組みづくりに積極的な貢献――の3点を実現し、十分なワクチンを確保することを可能にした。今後は全国での円滑な接種へ、国会・地方議員が連携して全力を挙げる決意だ」と語っています。
公明新聞2021/01/31 1面転載