ワクチン、来年前半に全国民分
政府は28日、新型コロナウイルス感染症に関して、秋冬に向けた今後の対策を取りまとめました。
ワクチンに関しては、2021年前半までに国民全員分の確保をめざすことを表明。身近な地域で接種できる仕組みや、健康被害が出た際の救済措置の確保を国の主導で図るほか、健康被害の賠償で製造販売業者などに生じた損失を、国が補償できるよう法的措置を講じるとしています。
季節性インフルエンザの流行に備え、検査体制も抜本的に拡充します。コロナの感染拡大地域への対策として、医療機関や高齢者施設などに勤務する人や入院・入所者全員が対象の一斉・定期的な検査の実施を進めます。
地域の医療機関で、コロナの検査も簡易・迅速に行えるよう、抗原簡易キットによる検査を1日平均20万件程度に増やし、抗原定量検査機器などの整備も促進します。
医療提供体制については、病床・宿泊療養施設の確保、医療機関の安定経営に向けた支援強化などを掲げています。
同対策には、20年度第2次補正予算の予備費を活用し、取り組みを速やかに実行する考えです。
公明党はワクチンについて、海外開発品も含めた確保に向けて「予備費活用」の方針を政府側から引き出すなど、対策強化へ尽力しました。
公明新聞2020/08/30 2面転載
安倍首相、辞任表明
公明党の山口那津男代表は28日、国会内で記者団に対し、安倍晋三首相が辞意を表明したことや、その前に首相と会談した模様について、大要、次のような見解を述べた。
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一、(首相会見について)突然の辞意に大変驚いている。7年8カ月、政権を安定させ、直面する大きな課題に共に力を合わせて取り組んできただけに、このような形で辞任されるのは極めて残念な思いだ。政権が取り組んできた課題は残っているので、引き続き、国民の期待に応えられるよう、政権の安定と政策実現に努力していきたい。
一、(安倍政権の成果について)7年8カ月も政権が続いたということ自体が大きな功績だと思う。教育の無償化を大きく進めて全世代型社会保障の基盤をつくり、軽減税率も実施した。これは後世に残る立派な業績だ。外交面では、多国間の経済連携で日本がリーダーシップを示したのは評価すべきだ。日中関係も前政権末期の危機的な状況から乗り越えられた。これからも、自公連立政権の構造は変わらない。力を合わせて内外の課題に応えていきたい。
一、(首相との会談について)首相から辞任の意向を正式に伝えられた。新型コロナウイルスに対応する中、迷惑を掛けないベターなタイミングは今しかないと判断したとのことだった。これから自民党として総裁選を行い、次の総裁を選んでいきたいと話があった。私からは、やり残した課題について、しっかり責任を持って対応していく。お体をいたわって体調が回復することを望んでいると話した。
シルバーパス郵送/更新手続きでの3密回避
東京都は、都営の地下鉄やバス、都電、民営バスに自由に乗車できる「シルバーパス」の更新手続きを、新型コロナの感染拡大に伴い、対面方式から郵送方式へ変更した(島しょ部の町村を除く)。
対象者にシルバーパスの払込票が郵送で届き、コンビニエンスストアで負担金を支払うと、2週間程度で新しいシルバーパスが自宅に郵送される。負担金の支払い期限は、9月30日まで。臨時更新会場は設置せず郵送のみの申請となる。
シルバーパスは、一定の負担金を支払った70歳以上の都民に交付。100万人以上が利用している。
これまでは、各区市町村の公共施設などに臨時更新会場を設置し、対面で手続きをしていた。しかし、会場が「3密」状態になりやすく、交付対象の高齢者は感染すると重症化のリスクが高いことから、対策を求める声が上がっていた。
公明新聞2020/08/28 6面転載
PCR積極実施へ支援を
公明党東京都本部の高木陽介代表(衆院議員)は26日、首相官邸で菅義偉官房長官と会い、東京都における新型コロナウイルス感染症対策の強化に関する緊急要請を行った。
高木代表らは、高齢者らが同感染症の重症化リスクが高いことから、クラスター(感染者集団)の発生を未然に防ぐため、高齢者・障がい者施設の職員と利用者にPCR検査を積極的に行う重要性を指摘。実施に当たり、国の財政支援が確実に行き届くよう、十分な国費の措置を求めた。
また、感染者を受け入れている病院や医療機関の経営が逼迫した状況にあることに言及。医療提供体制を継続的に確保するためにも、国の今年度補正予算の予備費を活用し、実態に即した財政措置を主張した。
厳しい経営環境にさらされている中小企業・小規模事業者に対しては、国が実施中の資金繰り支援を継続して取り組むよう訴えた。
菅官房長官は「提言を受け止め、しっかり取り組んでいく」と応じた。
要望には、党都本部の高木美智代代表代行、岡本三成副代表(ともに衆院議員)、都議会公明党の東村邦浩幹事長、高倉良生政務調査会長が参加した。
公明新聞2020/08/27 1面転載
住居確保給付金
新型コロナウイルスの感染拡大は、住まいという生活の基盤が脆弱な人が多いことを改めて浮き彫りにした。支援策を強化すべきである。
公明党の住まいと暮らし問題検討委員会は25日までに、厚生労働、国土交通、法務の各省に「ポストコロナを見据えた住まいと暮らしの安心を実現するための提言」を申し入れた。
大きな柱は、失業や収入減で家賃を払えない人を支援する住居確保給付金の使い勝手のさらなる改善である。
同給付金の支給決定件数は、今年6月だけで約3万5000件に上る。最多だったリーマン・ショック後の2010年度1年分の3万7151件に迫る数字だ。
コロナ禍で生活に行き詰まり、住まいを失うリスクを抱えた人が急増している現状を重く受け止める必要がある。
とりわけ懸念すべきは、国会審議で公明党が指摘しているように、実際には住まいの確保に窮しながら、収入が支給要件を超えるために申請できないケースなどが増えていることだ。同給付金は4月以降、公明党の要請も踏まえて、対象の拡大や支給要件の緩和を順次実施してきたが、もう一段の拡充が求められていると言えよう。
このため今回の提言では、給付金利用者の実態調査を速やかに実施するとともに、最長9カ月の支給期間の延長や支給上限額の引き上げ、収入要件を緩和して公営住宅並みの入居水準にすることなどを求めた。支援を真に必要な人へ届けるために、こうした制度見直しを急ぐべきだ。
このほか提言では、一時的な給付措置だけでなく、継続的な支援策の必要性にも言及。給付金受給者らの現在の住まいを、民間の空き家・空き部屋を低廉な家賃で提供する住宅セーフティネット(安全網)制度の住宅として登録し、公営住宅並みの家賃で住み続けられるよう制度の拡充を要請した。
関係省庁が緊密に連携し、実現に向けて検討を進めてほしい。
住まいは、さまざまな公的支援の利用や就労などに必要な「社会保障の基盤」である。手厚い居住支援が、全世代型社会保障の構築に欠かせないことも強調しておきたい。
公明新聞2020/08/26 2面転載
コロナワクチン確保で提言
公明党新型コロナウイルス感染症対策本部の斉藤鉄夫本部長(幹事長)らは18日、厚生労働省で稲津久厚労副大臣(公明党)、財務省で遠山清彦財務副大臣(同)と会い、同感染症ワクチンのさらなる確保に向けて、ワクチン調達の国際枠組み「COVAXファシリティー」への参加などを提言しました。
ワクチン確保について政府はこれまで、公明党の後押しもあり、英製薬大手アストラゼネカ社から1億2000万回分、米製薬大手ファイザー社から2回接種で6000万人分のワクチンを、いずれも開発が成功した場合に供給を受けることで、両社とそれぞれ基本合意しています。
提言では、ワクチンの有効性・安全性を確保するため、両社から必要かつ十分な情報を開示させる取り組みを要望。その上で、さらに幅広くワクチンを確保する選択肢の一つとして、COVAXファシリティーへの参加を提案しました。
同枠組みは、途上国の子どもたちへの予防接種を推進する国際団体「Gaviワクチンアライアンス」や世界保健機関(WHO)などが主導。参加する高・中所得国は、研究開発などの資金を前金として払うことで人口の20%相当分を上限にワクチンを確保でき、低所得国にはGaviを通じてワクチンが配分されます。
提言に対し、稲津厚労副大臣は「積極的に交渉に臨みたい」と表明し、海外の動きも見極めていくと語りました。遠山財務副大臣は、参加に必要な経費などを「一つ一つ詰めながら、政府として検討したい」と応じました。
18年ぶり
練馬区虐待対応拠点
コロナワクチン接種 医療従事者、高齢者から
政府は21日、有識者による新型コロナウイルス感染症対策分科会(会長=尾身茂地域医療機能推進機構理事長)を東京都内で開いた。ワクチン接種について、医療従事者、高齢者、基礎疾患がある人を優先するべきだとの見解で一致。地方自治体の負担を考慮し、国による財政措置の必要性を確認した。
政府はこれを踏まえ、来月上旬にもワクチンの接種順位に関する計画を取りまとめる方針。各国ではワクチンの研究・開発が加速しており、政府は早ければ来年前半に接種を開始したい考えだ。
分科会では、優先接種の対象となる医療従事者の範囲を「新型コロナの診療を直接行う」関係者とした。PCR検査で陽性が確認された患者の治療に当たるケースを想定している。感染が疑われる人に対応する医療従事者や救急隊員、保健所職員を含めることも議論するよう求めた。
政府は、先に製薬大手の米ファイザー、英アストラゼネカとの間で、ワクチンの開発に成功した場合に供給を受けることで基本合意した。日本企業の開発も支援し、供給量の上積みをめざす。副反応が発生した場合は製薬会社が負うべき補償を肩代わりする方針で、関連法案を国会提出する方向で調整している。
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感染拡大防止と経済活動の維持・回復を両立させる鍵となるワクチンの確保に向けて公明党は国に提案を重ね、海外2社との基本合意などを後押ししてきた。
7月16日の参院予算委員会では、公明党の質問に対し、稲津久厚生労働副大臣(公明党)がワクチン確保の裏付けとなる財源について「予備費の活用」を表明。健康被害救済制度や副反応などの情報収集の仕組みについても、稲津副大臣ら厚労省側が創設に向けて「検討する」と明言した。
同20日には党として加藤勝信厚労相に提言を申し入れ、確保の時期や必要量、費用の見通しを早急に示すよう要請。先行接種の対象者と順位の考え方も明確にするよう訴えた。また、今月18日に厚労相らに宛てた提言では、基本合意した2社のワクチンの有効性・安全性に関する情報の開示や、さらなる国内外のワクチン確保を求めた。
■有効性や安全性の確保大前提に丁寧な検討必要/党PT座長・高木美智代衆院議員
分科会を受け、公明党新型コロナウイルス感染症ワクチン・治療薬開発推進プロジェクトチームの高木美智代座長(衆院議員)は次のようにコメントした。
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ワクチンの確保や接種順位を巡る分科会の議論は、公明党の主張に沿った取り組みであり、歓迎している。ワクチンの接種に対し、国民の間には期待とともに不安もある。政府には、有効性・安全性の確保を大前提に、不安解消に資するよう、情報公開を徹底しながら丁寧に検討を進めてもらいたい。その際には、地方自治体など関係者の意見も十分に反映させてほしい。
公明新聞2020/08/22 1面転載