ワクチン巡る取り組み
新型コロナウイルス感染症ワクチンの一日も早い実用化と接種開始へ政府は、研究開発の加速化と同時に、生産・供給体制の先行整備も進める「加速並行プラン」を実施しています。
通常は①基礎研究②動物を用いた非臨床試験③ヒトへの安全性を確認する臨床試験(治験)――をクリアし、実用化のめどが立ってから生産・供給体制を整備しますが、同プランではこれらを並行して進めます。
研究開発の加速へ、政府は2020年度第1次、第2次補正予算で計600億円を計上。開発資金を補助し、民間による基礎研究から臨床試験までを支援しています。6月30日に国内で初の治験を実施した大阪大学発の創薬ベンチャー「アンジェス」の取り組みも、支援先の一つです。
生産・供給体制の整備では、それを担う民間企業が実用化に先行して着手するリスクを政府が負担するため、第2次補正予算で「生産体制等緊急整備基金」(1377億円)を創設。
実用化へ世界で最も先行しているとされる英製薬大手アストラゼネカと英オックスフォード大学の共同開発品について、日本での供給へ、政府と同社が具体的な協議開始で合意していますが、こうした海外開発品の日本での生産・供給体制の整備にも同基金の活用が期待されています。
■(公明提言)海外品確保へ交渉を
公明党は5月28日、ワクチン・治療薬開発推進のプロジェクトチーム(PT、座長=高木美智代衆院議員)を立ち上げ、アンジェスの中心者である大阪大学大学院の森下竜一寄付講座教授やアストラゼネカの日本法人役員らと意見交換し、7月20日には、斉藤鉄夫幹事長らが加藤勝信厚生労働相に緊急提言を申し入れました。
提言では、アストラゼネカなどの共同開発品について「確保に向け交渉を急ぐべきだ」とし、ワクチン原液の輸入のみならず、国内での製造も選択肢に入れて取り組むよう提案。他の海外開発品の確保への交渉も急ぐよう訴えました。加藤厚労相は、弁護士などのチームを設け、複数社と交渉する考えを示しました。
■予備費も活用し対策強化
さらに提言では、国内での開発支援の強化や海外開発品の確保などに向けた予算の充実へ、予備費の活用も訴えました。
予備費活用に関しては、同PTの秋野公造事務局長(参院議員)が16日の参院予算委員会で主張。稲津久厚労副大臣(公明党)が「予備費の活用も含めて対策を進める」と表明しました。
公明新聞2020/07/30 1面転載
夫の産休、創設めざす
公明党の山口那津男代表は28日午前、衆院第2議員会館で記者会見し、妻の出産直後の夫を対象とした新たな休業制度の創設をめざす政府の方針が報道されたことに触れ、出産直後は母体の回復が十分でないことなどから「出産や出産直後の乳児の生育に夫婦で協力し合える制度、環境の整備が重要だ。公明党として政府の取り組みを推進したい」との考えを示した。
また、山口代表は「公明党は、かねてから子育て支援策の幅を広げることを訴え、育児休業取得の制度拡充にも尽力してきた」と強調。日本で男性の育児休業取得が進まない理由として給付率の低さ(休業前賃金の67%)を挙げ、「100%が望ましいが、給付率を上げる力強い取り組みも必要だ」と力説した。
一方、米国と中国が互いに在外公館を閉鎖させる応酬が起きていることには「双方の対話の窓口という重要な機能を持つのが在外公館であり、可能な限り保持する努力が必要だ」と指摘。その上で「米中対立の激化、拡大は地域や国際社会にとっても好ましい影響をもたらすものではない。協調できる点を見いだし、対話によって解決していくリーダーシップを示してほしい」と述べた。
韓国の私立植物園に慰安婦少女像と安倍晋三首相とみられる像が設置されたことでは「慰安婦問題には日韓政府間で合意がなされた上で対応してきた経過がある。逆の方向で荒立てていくことは遺憾に思う」と語った。
難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の嘱託殺人事件に関しては、「事件の経過を度外視して安楽死の議論をするのは少し時期尚早だ。今回の事件は、安楽死を議論するような事実関係とはかなり開きがある」との考えを示すとともに、「軽々に予断を持たず、捜査で事件の徹底的な解明をするべきだ」と述べた。
公明新聞2020/07/29 1面転載
東京の経済支える、補正予算成立/都議会で加藤議員が討論
27日の東京都議会本会議で、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぎ、経済活動と都民生活を支える対策を強化する総額3132億円の2020年度補正予算が賛成多数で可決、成立した。
今年度6回目となる今回の補正予算では、感染拡大で経営に深刻な影響が及んでいる中小企業、個人事業主などを対象に、都内の家賃が高い水準にあることを踏まえ、国の家賃支援に上乗せする「家賃等支援給付金」を支給する費用が盛り込まれた。国の給付金は、中小企業の場合、月額家賃75万円までは3分の2、75万円を超える場合は3分の1を補助する。これに都が上乗せし、国の給付金と合わせて、それぞれ4分の3、8分の3まで引き上げる。都が上乗せする期間は3カ月分。財源は国の地方創生臨時交付金を活用する。
このほか、テークアウトなど業態転換やテラス営業に取り組む飲食店を支援するとともに、感染者を受け入れた医療機関の経営を援助する「臨時支援金」も盛り込まれた。
採決に先立ち討論に立った公明党の加藤雅之議員は、今回の補正予算の多くが、国の地方創生臨時交付金を活用したことに言及。都議会公明党が国会議員と連携し、東京の実情を踏まえた臨時交付金の配分を国に訴え、増額したことを強調した。その上で、今後のさらなる感染拡大に備え、「さまざまな手段を講じて、必要な財源を確保すべきだ」と訴えた。
公明新聞2020/07/28 1面転載
プラごみの処理
プラスチックごみ(プラごみ)による深刻な海洋汚染を食い止めるため、各国がプラごみの排出量を削減する取り組みに力を入れている。
日本も、政府が2019年5月に「プラスチック資源循環戦略」を策定し、容器や包装といった使い捨てプラごみの排出量を30年までに25%削減することや、使用済みプラスチック製品のリサイクル(再資源化)や再利用などを進め、35年までに100%有効活用するとの目標を掲げる。
この目標を達成するためにも、環境省と経済産業省が今月21日に示した、プラごみの分別をより簡単にし、リサイクルを一層促進するための方針は重要である。
家庭から出るプラごみの約9割は、菓子の包装や弁当の容器といった容器包装やペットボトルであり、これらは容器包装リサイクル法(容リ法)により、自治体が回収し、リサイクルすることが求められている。しかし、容リ法に基づくプラごみの分別は、住民にとって分かりにくい。
例えば、にぎり寿司の中仕切りは、プラスチック製であっても容器包装ではないため容リ法の対象外で、可燃ごみか不燃ごみとして処理される。こうしたプラごみに加え、プラスチック製のおもちゃ、文房具など、明らかに容リ法の対象ではないプラごみも、容器包装と一緒に出してしまうことも少なくない。
そうしたプラごみの中から、リサイクルすべきものを再分別する自治体の負担は非常に大きい。そこで、今回の方針では、これまで容リ法の対象外だったプラごみも「プラスチック資源」とし、容器包装と一括して出せるようにするという。
日本のプラごみの有効利用率は80%を超えるが、そのうちの6割近くは燃やして火力発電などに利用する「熱回収」だ。これには、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)排出の懸念がある。
一方、プラごみの製品としての再利用が技術的に難しく、製品加工で要するエネルギーによるCO2の排出量が、熱回収より多い場合もあるという。さまざまなプラごみを資源として再利用するには、そのための技術開発を加速することも急務だ。
公明新聞2020/07/27 2面転載
虹
医療・介護・障がい福祉、慰労金の申請順次開始
新型コロナウイルス感染の恐れに直面する中で業務に当たってきた医療や介護・障がい福祉サービスの従事者・職員の労に報いるため、公明党が推進した1人当たり5万~20万円の慰労金の申請受け付けが、20日ごろから各都道府県で順次、始まっている。申請は原則、勤務先が対象者に代わって行う。給付は8月下旬以降となる見通し。
■職種・雇用形態問わず
慰労金の対象者は、患者・サービス利用者と接する業務に就き、国が示した期間中に10日以上勤務した従事者ら【図参照】。資格や職種、雇用形態、1日当たりの勤務時間による区別はない。また、「接する」には診療や身体的接触以外の対応も含まれる。受け付けや清掃などの業務受託者も一般的には対象となり得るが、具体的には各医療機関や事業所・施設が実態に応じて判断する。
勤務先については、歯科診療所(保険医療機関)やサービス付き高齢者向け住宅も対象となる。病院内の場所を借りて営業するコンビニや、院外薬局などは対象外。なお、帰国者・接触者外来設置医療機関や地域外来・検査センター(PCR検査センター)は、感染症患者に加えて「疑い患者」に対応した場合も20万円給付の対象となる。
■勤務先が代理で手続き
受給までの標準的な流れは、各勤務先が派遣労働者や業務受託者を含む対象者を特定し、代理申請・受領の委任状を集めた上で、都道府県が定める窓口に申請する。交付が決まった慰労金は、勤務先や派遣会社などを通じて対象者に支払われる。
勤務先が複数ある場合、勤務日数を合算して計算し、申請は、いずれか1カ所で行う。既に退職している人は元の勤務先を通じて申請するが、それが難しければ、勤務先がある都道府県に個人で手続きする。
■公明の提言を反映
公明党は、政府への提言などを通じて、今年度第2次補正予算での慰労金給付の実施をリード。特に、介護・障がい福祉サービス職員への支給を強く求め、実現させた。また、慰労金が非課税所得となるよう後押し。金融機関による差し押さえを禁止する議員立法も推進した。
慰労金の詳細は各都道府県の担当部署または厚生労働省コールセンター(医療℡03・3595・3317、介護・障がい℡03・5253・1111<介護=内線3807、3907、障がい=内線7096、7097>。平日午前9時半から午後6時<介護は午後6時15分>)まで。厚労省の問い合わせ先は8月以降、変わる可能性がある。
感染防止が不十分な店対象/都議会公明党が知事へ緊急要望
東京都議会公明党(東村邦浩幹事長)は22日、新型コロナウイルスの新たな感染者が急増し、都内の感染状況が厳しい局面にある中、いまだに感染防止対策が不十分な店舗や施設が多いことから、都庁内で小池百合子知事に対し、さらなる対策実施を緊急要望した。
席上、東村幹事長は、感染防止の取り組みを事業者に再度徹底するよう求めるとともに、接待を伴う飲食店などで、感染防止ガイドラインに基づく対策を実施しない店舗への対応に言及。「できるだけ早く、都と警視庁が連携して店舗への立ち入り調査を行い、対策を実施するよう強く指導すべきだ」と力説した。
小池知事は、「警視庁とも連携し、対応を迅速に進めていく」と応じた。
7月23日公明新聞2面転載