保育施設周辺に「キッズゾーン」/事故防止へ重点対策/公明の提言踏まえ政府が自治体に整備促す通知
保育園児らの安全を確保するため、内閣府と厚生労働省は12日、保育施設周辺の道路でドライバーらに園児への注意喚起など重点的に対策を講じる「キッズゾーン」の整備を促す通知を都道府県や政令市などに出した。5月に滋賀県大津市で、散歩中の園児らが車にはねられ死傷した事故を踏まえた対応で、6月の公明党の緊急提言も踏まえ、自治体に対し、道路管理者や警察との連携などを求めている。
キッズゾーンは、主に小学校周辺に設定された既存の「スクールゾーン」に準じる安全対策の重点地域。保育施設を中心に、原則半径500メートル以内を対象範囲とし、園児の散歩コースなどを踏まえ、自治体が保育施設、道路管理者、警察などと協議して設定する。
通知では、キッズゾーンで行う安全対策の例として、園児が通行する可能性を知らせる路面塗装やガードレールの設置、園外活動を見守る「キッズガード」の配置などを提示。実施に向けて、自治体の保育担当部局などが中心となり、道路管理者や警察と検討するよう要請している。
今回の通知とほぼ同時に、警察庁が都道府県警、国土交通省が道路管理者に対し、市区町村と協力して取り組みを進めるよう促す通知も出した。例えば、キッズゾーンにおける車の交通規制(一方通行など)や最高速度を時速30キロに制限する「ゾーン30」の導入などを挙げた。
キッズゾーンの創設について公明党は、大津市の事故などを受け、党通学路の安全対策プロジェクトチーム(PT、座長=富田茂之衆院議員)が今年6月に政府へ提出した緊急提言で、国交省や警察などが連携して効果的な対策とするよう要請。7月の参院選の「こども・子育てマニフェスト2019」にも掲げ、政府の対応を促してきた。
■安全確保へ地方議員と連携/党PT座長 富田茂之衆院議員
通園・通学に絡む痛ましい事故が後を絶たない中で、未来の宝である子どもたちを守るには、できる限りの事故防止対策を講じておかなければならない。その一つとして、まず挙げられるのがキッズゾーンの整備だ。
全国各地で着実に整備を進め、効果的に運用していくには、市区町村の保育担当部局が積極的に動き、保育施設のほか、警察や道路管理者などと、さらに協力していくことが必要となる。
こうした取り組みを党として国会・地方議員が連携して後押ししていきたい。2019年11月28日 公明新聞1面転載