学校の安全対策を強化/通学路 総点検万全に/耐震化、総合的な推進必要
公明党の山口那津男代表は19日午前、国会内で記者会見し、18日の大阪府北部を震源とする地震を踏まえた今後の対応について、大要、次のような見解を述べた。
一、地震では、死者が出たほか、通勤・通学客の多い鉄道路線の中断など大きな被害が出た。亡くなられた方のご冥福をお祈りし、被災者の方々にお見舞いを申し上げたい。
一、(大阪府高槻市で小学校のブロック塀が倒壊し、通学中の女児が死亡した事故について)極めて痛ましい出来事だ。高槻市のみならず、全国で小学校の通学路の安全点検をしっかり行うべきだ。ブロック塀の耐震化は、1978年の宮城県沖地震を契機に、81年の法改正で基準が強化された。この法改正を踏まえての対応が、どうなされたのか確認する必要がある。
一、(学校耐震化について)校舎や体育館の非構造部材などの耐震化を進めてきたが、今回は学校の外構部分に当たる塀の危険性があらわになった。耐震化は学校のブロック塀も含めて総合的に行う必要がある。学校としても、施設・設備が児童生徒に危険を与える恐れがあれば、安全を確保する責任があることを改めて確認した上で、対応を急ぐべきだ。
一、(木造住宅で火災が発生したことについて)東京都などの都市部を含め、木造住宅密集地域の防火、耐震化などの対応が急がれる。都市部の木造住宅密集地域の安全性を高める方策に行政が取り組む必要がある。
一、(水道管の破裂などが相次いだことについて)今国会に提出されている水道法改正案は、災害に強いインフラとしての水道の再整備を可能にする重要な法案だ。防災・減災の観点からも早期に成立させるべきだ。
2018年06月20日 公明新聞1面転載
障がい者の文化芸術/活動を支える手だて幾重にも
障がい者による文化芸術の創造や鑑賞などを促進する「障害者文化芸術活動推進法」が成立した。
超党派の議員立法である同法について公明党は、2013年の議員連盟の発足に奔走し、障がい者団体からのヒアリングを重ねるなど、取りまとめをリードしてきた。こうした経緯があるだけに、成立を率直に歓迎したい。
同法では、障がい者の文化芸術活動の推進は国や自治体の責務であると明記。国に対し、施策の方針や目標を決めた基本計画の策定を義務付け、必要な財政措置を取るよう求めている。
特に強調したいのは、障がい者による文化芸術活動を強力に後押しする視点である。
障がい者の文化芸術活動は、健常者と同様に絵画や音楽、演劇、ダンスなど多岐にわたる。専門的な教育を受けていない障がい者が独自の発想で表現した芸術作品が、国内外で大きく注目されるケースも少なくない。
しかし、障がい者の文化芸術活動には、さまざまな困難が伴う。
例えば、作品が正当に評価されず日の目を見ないまま福祉施設内に放置されてしまうことがあるという。発表した作品について著作権を行使しようにも意思表示が難しい人がいる。障がい者を支える福祉関係者に権利保護に詳しい人が少ないのも実情だ。
このため同法では、基本的な方針として▽文化芸術を創造する機会の拡大▽作品を発表する機会の確保▽芸術上価値が高い作品の評価や販売への支援▽権利保護の推進――などを掲げている。
具体的な施策は国が策定する基本計画に委ねられるが、障がい者の文化芸術活動を支える手だてが幾重にも広がることを期待したい。
このほか同法は、障がい者が文化芸術に触れる機会の拡大も柱の一つにしている。テレビや映画に字幕、手話による説明が増え、文化施設のバリアフリー化も一層進むことが見込まれる。
地方自治体の取り組みとして同法は、国の基本計画に沿った計画の策定に努めるよう求めている。地域の実情に合った施策の実現に向け、地方議会公明党の役割もまた大きいことを強調しておきたい。 2018年06月15日 公明新聞2面転載
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初の米朝首脳会談 非核化を具体的に進めてこそ
トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長がシンガポールで会談した。
1950年に始まった朝鮮戦争以降、敵対関係にあった米朝両国の首脳が初めて会い、握手を交わし、新たな関係構築へ踏み出したのである。それ自体、歴史的な会談となったことは確かだ。
最大の焦点は、米国が主張する「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)を、北朝鮮が受け入れるのかという点にあった。
会談後の共同声明では、4月の南北首脳会談で合意した「朝鮮半島の完全な非核化」を再確認するにとどまり、CVIDの文言は盛り込まれなかった。最大の関心事であるだけに、期待外れの感は否めない。
非核化の作業をいつから始め、いつ終えるのか。核兵器や核物質をどう処理するのか。全ての工程をどう検証するのか。こうした具体的な道筋も不透明なままだ。
トランプ氏は「非核化のプロセスは極めて早く始まる」と強調し、来週にも米朝間で実務者協議を開催する方針を示した。話し合いの行方を注視したい。
正恩氏は「世界は重大な変化を見ることになる」と述べたが、具体的な行動が問われているのは北朝鮮の方だ。この点、北朝鮮に体制保証を約束したトランプ氏が、当面の制裁維持を譲らなかったことは妥当な判断といえよう。
特に指摘しておきたいのは、非核化に向けた取り組みを前に進めねばならないという点だ。共同声明の内容を両国が誠実に実行することはもちろんのこと、国際社会も結束して対応すべきである。
会談の席上、トランプ氏が日本人拉致問題を提起したことは特筆に値する。首脳会談で第三国の課題を取り上げることは異例とされ、安倍晋三首相ら日本政府による粘り強い働き掛けが実ったものだ。報道によると、北朝鮮は拉致問題について、従来の「解決済み」との見解を示さなかったという。
米朝会談後、安倍首相は拉致問題について「日本が北朝鮮と直接向き合い、解決していかなければならない」と表明した。会談で取り上げられたことを好機と捉え、対話による解決につなげたい。2018年6月14日公明新聞転載