近大マグロ
母校、近畿大学のマグロ完全養殖の取組みは目を見張ります。日本の食卓への貢献も大であり、事業拡大が地方創生への貢献も大です。
公明新聞の記事を抜粋します。
クロマグロ 進む資源管理
2015年01月07日
『完全養殖3倍増めざす/近畿大など産学連携で安定供給を』
資源保護に向けた規制が進む中、安定供給の“切り札”となる完全養殖に成功した近畿大学(東大阪市)。さらなる拡大をめざし、産学連携に取り組んでいる。完全養殖クロマグロは「近大マグロ」のブランド名で、大学直営の養殖魚専門料理店や百貨店などに出荷。幼魚は養殖用種苗として国内の養殖業者に販売されている。
近畿大学では2010年から「豊田通商株式会社」と提携。飼育方法など大学の技術指導の下で、中間育成事業を開始している。同大学が人工ふ化させた全長5〜6センチの稚魚を、長崎県の五島列島にある豊田通商の子会社である「株式会社ツナドリーム五島」の養殖施設で全長30センチ前後の幼魚まで育て、養殖業者に出荷している。昨年7月、両者は水産養殖事業に関する覚書も締結。今年稼働する同社の種苗センターで、卵から稚魚を育てる事業を新たに始める。大学側も技術者の派遣などでバックアップしていく。
昨年11月、大阪と東京にある大学直営の養殖魚専門料理店「近畿大学水産研究所」で豊田通商のクロマグロを提供し、アンケートを行った。8割以上の来店者から味と見た目、ともに高い評価を得るなど、近大マグロと変わらない品質であることが確認された。
この結果を受けて近畿大学が同社のクロマグロを近大マグロに認定、すでに市場に出荷されている。外部施設で養殖されたクロマグロが認定されたのは今回が初めてだ。年間2000匹だった近大マグロの出荷量は、1・5倍の3000匹へ拡大する見込みだ。20年度には6000匹の出荷を目標にしている。
近大マグロのブランドマークも新たに策定した。海外輸出も視野に入れる。同大学水産研究所・水産養殖種苗センターの池田勝事務長は「天然資源に頼っている国内の養殖用種苗の全てを、将来的には人工種苗にしていきたい」と意気込みを語る。
『漁獲枠の拡大決定、大西洋の成功生かせ』
世界最大のマグロ消費国である日本。水産庁によれば、2012年の国内供給量は、輸入も含めて約40万トン。とりわけ、高級食材として人気の高い「クロマグロ」の供給量は約3万トンに上っているが、資源の減少も深刻化している。国内供給量のうち6割を占める太平洋クロマグロの親魚の資源量は、12年で約2万6000トン。過去最低を記録した約1万9000トン(1984年)に迫る危機的な状況になっている。
昨年12月に開かれたWCPFCの会合では、太平洋クロマグロの小型魚の漁獲量を削減することで合意。今年からの10年間で、親魚を約4万3000トンへ回復させることを目標に掲げている。小型魚の漁獲量を5割削減しない限り、目標の達成が見込めないとの科学的知見に基づくものだ。今年から実施され、日本に認められた上限量は4007トン。
一方、大西洋ではすでに厳しい規制が行われてきた。漁獲量の制限とともに、最大の漁場である地中海・東大西洋地域では、小型魚の漁獲自体を禁止。漁法や海域ごとに禁漁期間を設けたほか、漁獲から流通までの透明性を確保するため、漁獲証明制度も創設した。
一連の取り組みが奏功し、大西洋クロマグロの資源量は回復傾向にある。これを受け、昨年11月に開催された「大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)」で漁獲枠の拡大が決定した。地中海・東大西洋では段階的な措置として今年から3年間、毎年約20%ずつ増やしていく。
