本年6月末に、私のところに寄せられた相談は、驚くことに、「集合住宅のある部屋の中で、ウサギが30羽以上繁殖している。このまま放置しておくとどんどんふえ続けてしまうのでは。」というものでした。
保健センターや動物愛護センターに素早く御対応いただき、雄と雌を分けて飼うこと、全体の頭数を減らすことなどアドバイスやウサギの譲渡先を見つけるための橋渡しまでしていただきました。
今回飼われていたのがウサギだったため鳴き声もなく、ふん尿のにおいも少なかったことから大した騒ぎにならずに済みました。
今年の6月に大きなニュースとなった猫の多頭飼育崩壊のような事例や、飼い主の高齢化によって飼育が不可能となるケースが課題となっており、さらに野良猫が産んだ子猫の収容が減らないことから、収容頭数を減らすことが難しくなっています。
平成29年度の動物愛護センターに収容された頭数は、犬が190頭、猫が1,169頭となっており、猫については前年度と比べ約80頭ふえています。
また、収容された犬猫は、動物愛護センターが新たな飼い主を探して譲渡を行いますが、実に7割以上が新たな飼い主を探す活動を行っている民間の譲渡ボランティアによって引き取られています。
ちなみに、平成29年度の殺処分頭数は、犬についてはゼロ、猫については、平成28年度と比べ約66%も減らして、76頭となっています。(ちなみに直近のデータでは殺処分が140頭を超えています。)
犬の殺処分ゼロを継続し、猫の殺処分ゼロを達成するためには、収容頭数を減らすとともに、さらに譲渡を進める必要があります。加えて、冒頭に御紹介したウサギのケースに象徴されるように、動物愛護の現場はますます複雑化する傾向にあることから、行政を中心とした対応は限界に来ているのではないかとの実感を持ちました。
現在、新たな飼い主を探す活動を行っている譲渡ボランティアは、個人、団体合わせて50以上を数えますが、一般的には善意で活動しているケースが多いため、財政的な要因等で、継続的に安定した運営を行うことが難しくなってしまう団体が出てこないとは限りません。
早ければ、2020年度内にも民間組織の立ち上げについて具体的な動きが始まるようです。
