「名古屋飛ばし」という言葉。
話題のミュージカルやオペラなどの公演が、なぜか名古屋市を通り越して他の大都市で開催されてしまうことを表した表現のようです。

そこで、名古屋での歌舞伎やミュージカル・演劇の興行がどのくらい行われているか、日本演劇協会が監修・発行している「演劇年鑑2015」から独自に集計してみました。
まず、一つ目は、平成26年中に松竹、東宝、宝塚歌劇団、劇団四季の各社の主催公演が行われた回数を東京、名古屋、大阪に分けたものです。
東京が4,331回、大阪が1,256回に対し名古屋では391回しか公演が行われていません。
二つ目は、同じく平成26年の一年間で三大都市にある主要劇場で上演された歌舞伎やミュージカル・演劇などの上演回数をまとめたものです。
東京が10,422公演、大阪が2,304公演に対し、名古屋では747公演しか行われていませんでした。
しかも、御園座が工事中のため、公演が中日劇場と名鉄ホールに集中しています。名鉄ホールは既に閉館。仮に中日劇場が建て替えなどで閉館となった場合、名古屋での上演数は、わずか96公演となってしまいます。
この調査で、いわゆる「名古屋飛ばし」の実態が数字のうえからも浮き彫りとなりました。加えて私の調査では、少なくとも年間延べ150万人以上の市民がわざわざ東京や大阪まで出向いてエンターテイメントを楽しんでいることが推測されます。仮に、これら取りこぼしている約150万人の観客を市内に引き戻すことができただけで、少なくとも年間で約83億円の売り上げ増が見込まれ、さらに経済波及効果は、推計10年間で1,400億円と非常に大きいものとなります。
まずは、この150万人の観客を名古屋に呼び戻すための方策を一刻も早く考える必要があるのでないでしょうか。