社会保障と税の一体改革関連法案の修正について、3党で合意がなされました。
いたずらに困惑するだけでなく、「消費増税先行!」との印象を受けやすい報道がされるなかで、合意内容の中身を大まかでもいいので把握することが重要です。
以下、公明党が主張していた消費増税の前提となる5条件+1のなかに3党合意の内容を当てはめてみました。
(1)社会保障制度の全体像を示す
〈年金について〉
○年金を受け取るのに必要な加入期間を25年から10年に短縮
○所得の少ない年金受給者を対象に月額5千円を給付
○共済年金を厚生年金に統合
〈社会保険〉
○パート等の厚生年金・企業健保への加入対象を拡大(約25万人増)
〈子育て支援〉
○認定こども園の拡充と設置手続きの簡略化
〈民主マニフェスト関連〉
○最低保証年金の創設と後期高齢者医療制度の廃止は「社会保障制度改革
国民会議」(社会制度改革推進法案成立により設置)で1年以内に結論
を出す。
(2)景気回復の実現
○消費税増税の条件としてGDP名目3%程度、実質2%程度の成長率を努
力目標とし、政府が総合的に判断する
(3)行政改革の徹底
○合意内容では具体的に示されていない?
(4)消費税の使途を社会保障に限定
○政府案では、引き上げ分5%のうち4%は社会保障費の赤字補てんに、
1%は給付の充実に当てる。合意したかは不明。
(5)税制全体で社会保障の財源を生み出す
○所得税、相続税の改革は年末に先送り
(追加)低所得者対策について
○平成26年4月から8%に引き上げ
→低所得者対策として現金を給付
○平成27年10月から10%に引き上げ
→生活必需品の税率を低くする軽減税率の導入を検討
or給付付き税額控除の導入を検討
すべての条件を満たしているか否かは別として、年金を受給できる加入期間の短縮や被用者年金の一元化など、相当大きなテーマが並んでいます。正直びっくりです。
個人的に一番気になるのは、消費税を増税するにあたって設定された景気回復の条件です。
GDP名目成長率(物価の影響を加味したもの)3%と実質成長率(物価の影響を加味しない)2%を目標とするものの、政府にとっては単なる努力目標に過ぎず、消費税の引き上げ時期を「総合的」に判断できる点に、一抹の不安を感じます。
公明党は、災害に強い国を作るためのインフラ整備に集中投資することで、デフレ脱却への道筋を示し、景気回復にも資する「防災・減災ニューディール」政策を掲げています。
「社会保障と税の一体改革」と「防災減災ニューディール」が相乗効果を生むような政治的判断を、心から期待しています。