コミュニティ放送等を活用した防災ラジオの導入について
11月定例会における個人質問のラストは「コミュニティ放送等を活用した防災ラジオの導入について」です。
近年は、台風や豪雨に伴う避難情報や緊急地震速報、また一方では、北朝鮮によるミサイル発射など、市民に発信する緊急情報も多岐にわたり、市として、これらの情報をより迅速かつ的確に伝えることは極めて重要であると言えます。
こうした中、本市においては、市民の皆様に災害情報や避難に関する情報を発信する同報無線、いわゆる「防災スピーカー」について、平成28年度、29年度の2箇年で、市内全域にサイレンと、音声を伝達する設計で、高性能スピーカーへの更新や増設を行っているところであります。こうした取り組みは、災害時において有効であることは言うまでもなく、今後もしっかりと整備を進めてもらいたいと考えておりますが、一方で、屋外に設置される「防災スピーカー」については、豪雨や台風など、風雨を伴う自然災害の場合や、建物の構造等によっては、屋内にいる人々に聞こえない場合があるという声も上がってきております。
平成26年8月の広島市土砂災害においても、屋外放送やサイレンは大雨や雷の音で機能していなかった。行政は住民に聞こえているかしっかり把握すべきとの声があがったそうです。 また、平成27年9月の鬼怒川水害におけるヒアリング調査の結果によると、避難指示等の情報入手手段として、一番多かった回答が防災行政無線の屋外スピーカーで約5割を占めたが、「避難指示はわかりやすかったか」という質問に対し、36.5%が「わかりにくかった」と回答し、「わかりにくかった理由」として、「聞こえにくかった」と回答したのが57.8%もあったそうです。
本市では、「防災スピーカー」の他、緊急情報を発信する手段として、従来からのテレビ・ラジオ・インターネットによる周知を始め、緊急速報メールや登録制メールサービスなど多種多様な伝達手段を導入しているところであり、市民は、それら多種多様な伝達手段の中から、自らの環境に合わせて選択し情報を入手しているところでありますが、実際には高齢者を中心に携帯電話やスマートフォン等を所持していない人、設定がうまくできない人も多く、そういう方々が、屋内におられた場合、緊急情報が確実に伝わるとは言い難く、「防災スピーカー」が聞こえなかった場合を想定した、更なる補完手段として、高齢者等の皆様にもわかりやすい「屋内向け」のツールを用意する必要があるのではないでしょうか。
そこで提案させていただきたいものが、「防災ラジオ」です。「防災ラジオ」は緊急情報を受信すると自動で電源が入り、大きなボリュームで情報が流れる仕組みとなっており、高齢者でも手軽に扱え、かつ屋内にいる場合や、豪雨や台風等で「防災スピーカー」が聞こえづらいときにも大変有効であります。現在、「防災ラジオ」は政令市では、静岡市、熊本市など4市で、県内では、岡崎市を始め7市が導入しております。
私は先日、同じく「防災ラジオ」を導入した岐阜市を視察してきました。岐阜市では、東日本大震災の際、地域に密着した詳細な避難情報や災害情報を放送することができた「コミュニティFM」が注目を集めたことを受け、平成24年度、コミュニティFMの電波を活用した、自動起動型の「防災ラジオ」を導入し、避難行動要支援者の支援者となる自治会長や民生委員に無償貸与しているとのことでした。あわせて岐阜市は、消防本部に緊急割込み放送設備を設置したことで、事前に配布された「防災ラジオ」を自動起動させ、電波ジャックをする形で、緊急地震速報やJアラート、避難情報を伝達することができるようになったそうです。
総務省においても「コミュニティ放送等を活用した自動起動ラジオ」の導入事例集を作成し、「防災ラジオ」は市町村の既存の情報伝達システムを補完するものとして、その有効性を認識し、普及を推奨しているところでもあります。
そこで、防災危機管理局長に対し、市民にとって、大切な「命を守る情報」を入手する手段の多様化、充実化を図ることは非常に重要であることから、『防災スピーカーが聞こえなかった』を補完するものとしてコミュニティ放送等を活用した「防災ラジオ」の導入を図るべきであると提案いたしました。
防災危機管理局長からは 「防災ラジオにつきましては、高齢者でも手軽に扱うことができることから、大切な命を守るための情報収集手段の選択肢の一つに加えるよう検討することは大変意義があると考えている。本市といたしましては、市民の情報収集手段の多様化、充実化をより一層図る観点から、コミュニティFM局との連携方法など、他都市の導入状況を調査しながら、「防災ラジオ」の導入に向けて検討してまいります。」 との大変、前向きな答弁をいただきました。
既に「防災ラジオ」を導入している自治体においては、購入希望者に対しし、一定の補助を行ったりしているところであるが、当然、希望者の多くは、高齢者や障害者など、いわゆる要支援者、要配慮者が見込まれるところであります。こうした方の中には、経済的にお困りの方もみえ、どうしても「防災ラジオ」を手にすることができず、情報過疎になってしまうことも考えられます。ぜひ、「防災ラジオ」の導入検討の際には、補助制度の導入についても検討し、命を守るために大切な情報が、経済的な理由で届かないということが決してないように、強く要望いたしました。

