Archive for 2011年 11月
11月28日(月)名古屋市議会本会議で個人質問を行いました。主な内容を簡単にご報告致します。
1、自転車の安全利用について
◎交通ルールの徹底やマナーの向上と条例化を質問!
・自転車は便利な乗り物ですが、自動車と同じ「車両」であることを認識すること!
・「歩道」から「車道』への流れの中で自転車の安全利用の対策が強化されます。
・スピードを出す自転車は車道走行です。
・歩道を「徐行」して通行する分は取り締まりの対象ではないようです。
・「酒酔い運転」「悪質な信号無視」など、「悪質危険」な運転は取り締まりの対象。
・「条例化」は他都市の状況や県警察の動向を見極めた上で検討してまいります。
◎歩行者と自転車にとって安全な道路整備について質問!
・新しい「自転車レーン」の整備については今後、設置に向け協議してまいります。
・車道の中には、外側線が50㎝と幅が狭いうえ、段差や溝のフタもあり自転車の通行が危険なカ所が あり改善を要望しています。
◎市立高等学校における自転車安全教育について質問!
・生徒を交通事故の被害者や加害者にしないために質問しました。
・中高生の自転車マナーは憂慮すべき状況。
・新たに交通安全教育推進校を指定し、安全教育のための高等学校の自転車運転免許証の取り組みを検討します。
・教師用の「自転車安全指導の手引き」を新しく作成し配布します。
2、特別支援学校版のトワイライトスクールについて質問!
・名古屋市として子どもたちが安心・安全に豊かな放課後が過ごせるよう、特別支援学校版トワイライトスクールについては課題を整理し、検討してまいります。
1、自転車の安全利用について
① 交通ルールの徹底とマナーの向上
かつてないほど、連日のように自転車に関する話題がマスコミで報道されています。市民の関心も高く、市民の安心安全のために質問いたします。
平成22年の「名古屋市交通事故のあらまし」を見てみますと、名古屋市内における交通事故死者数は45人で21年と比べ6人の減少でしたが、負傷者数は20,252人と11年連続で2万人台という依然として厳しい状況があります。市民の110人に1人が交通事故でケガをしたことになります。自転車事故の多くは、信号無視や一時不停止など、基本的なルールの違反が原因となっています。中でも自転車事故については、約7割が自転車側の違反で発生しています。こうした事故を少しでも減らしていくには交通ルールやマナーを高めることが必要です。
本年10月25日、警察庁交通局長名で「良好な自転車交通秩序の実現のための総合対策の推進について」通達がありました。この通達の基本的な考え方として、今一度、自転車は「車両」であることをすべての市民や自転車利用者に徹底することです。今まで歩道を通行していた自転車は車道が原則とし、年齢や障がい、道路通行が危険な場合などによっては歩道を通行できますが、自転車はあくまで「車両」であり、歩道は例外という方針を如何にして市民に徹底していかれるのか。
また、自転車に対する指導取り締まりの強化では、自転車と歩行者の交通事故の発生件数が相当数増加しており、自転車利用者のルール、マナー違反に対する国民の批判が後を絶たない状況から、街頭での指導警告が一層推進されます。飲酒運転、ブレーキをはずした自転車や「ピスト」などの不良自転車の運転、一時不停止、車を急停止させるような信号無視、注意を聞かない場合は「危険で悪質」な交通違反として、赤切符で検挙、摘発するなど厳正に対処することと通達されています。
私は、今後の警察による新たなる自転車取り締まりに対しては感謝しています。それは、今こそ市民の命を守っていくことができるからであります。そのために「自転車安全利用五原則」の遵守と禁止行為の徹底、自転車にかかわる標識・表示への理解、自転車を安全に乗るために日常点検、また、交通事故の万一の事態に備え「TSマーク付帯保険」の加入の推進など、やらねばならないことは山ほどあります。まず一般市民への周知徹底をしなければいけません。小学校、中学校及び高等学校に対する自転車安全教育の推進の強化はどうしていくのか、また、自転車利用者に対する街頭での指導啓発活動の推進では、交通ボランティア等と連携が重要であり重層的に推進する必要があります。市、自転車利用者、関係団等が守るべき責務を明確にする必要もあります。こうしたことを考えますと条例化を進めていくことが極めて重要と考えます。
自転車の安全利用の向上と市民の命を守る取り組みは、本市の条例制定と警察の取り締まりとの相乗効果による千載一遇のチャンスではないかと考えます。この条例制定について市民経済局長のご見解をお示し下さい。
② 歩行者と自転車にとって安全な道路整備
10月25日に警察庁が公表した「自転車総合対策」が波紋を呼んでいます。車道走行の徹底を打ち出したことに対して交通量の多い車道を走ることへの恐怖を訴える声も多く「子どもを乗せて車の脇を走るのは怖い」とか「専用レーンを整備してから車道を走らせるべきだ」など、車道走行徹底の方針が明らかになってからの一週間だけでも、各地の警察はもとより、警察庁にも100件以上の電話やメールが寄せられていることが新聞などで報じられています。私は、毎朝ウォーキングをしていますが、公園を散歩している皆さんに聞くと、「自転車が車道を走るのは危ないよね、歩道をゆっくり走ればいいのよ」と言う声も多いです。先日、警察庁の石井隆之交通局長はマスコミのインタビューに対して「徐行なら歩道走行で構わない」という少しトーンダウンしたような発言をされていましたが、私は、急ぐ自転車については歩道から車道へという流れは間違いないと考えます。
こうした中で市民は大変心配しています。自転車は今後、どこをどのように走ればいいのか、自転車が安全に走ることのできる道路とはどういう道路でどんな道路を今後どこまで作っていこうとされているのか。道路と言っても生活道路もあります。1車線から4車線以上もある大きな道路もあります。歩道でも人がやっと通れる歩道から歩行者と自転車が十分に分けて通れる大きな歩道まであります。そんなところを自転車はどのように走ったらいいのか疑問があります。本市の「自転車歩行者道」「自転車道」や今後の「自転車専用通行帯(自転車レーン)」の計画はどのようになっておられるのか、様々な疑問の点について市民の命を守る道路管理者のとしての責任ある答弁を緑政土木局長にお尋ねいたします。
③ 市立高等学校の自転車安全教育について
大切な本市の生徒を交通事故の被害者や加害者にしないために質問させていただきます。
中高生の中には自転車の運転マナーがとても乱暴だという厳しい指摘があります。私も憂慮している所であります。
平成21年9月の新聞報道でも高校2年生の男子生徒が自転車衝突事故でひき逃げをして摘発され道交法違反の疑いで書類送検された残念な記事がありました。
自転車の交通事故が増加する年代として13歳から18歳が他の年代に比べ目立って高くなっています。
平成22年度の自転車乗車中の交通事故件数は15万1626件、11年前の平成12年の0.87倍となっています。しかし、交通事故全体の件数は減少しているにもかかわらず全体に占める自転車事故の割合は漸増しているのであります。
教育委員会の調査では、平成22年度における本市高等学校の生徒の自己申告による自転車事故件数は260件あり、主な事故の原因は、飛び出し、信号無視、一時不停止といった、大変危険な行為によるものとなっています。
事故相手の多くは自動車ですが、歩行者が被害者になる場合もあります。ケガの件数も増えており、憂うべき状態と言えます。
また、本市高等学校には市民からの苦情として、「歩道での暴走や並走」「携帯や音楽プレーヤーを使用しながらの運転」「駐輪マナー」「スピードの出しすぎ」「一時停止無視」「二人乗り」などの声が地域住民の方から寄せられています。
こうした、現状を変革するため何をどうすればいいのか教育長のご意見と決意をお聞かせください。
しかし、一方では大きな成果を上げている高等学校もありますので紹介いたします。私は11月9日(水)愛知県立春日井工業高校を視察致しました。 目的は、学校独自で自転車運転免許証を発行している点であります。生徒達を車から守るため、また、生徒の自転車の運転による被害者を作らないために実施しています。
春日井署や地元自動車学校の協力を得て講習や学科・実技試験を行い80点以上が合格です。交付された名刺大の免許証には万一の際の緊急連絡先、顔写真、血液型も記載されています。免許の有効期限は在学期間いっぱいですが、二人乗りなどの道交法違反が発覚した場合は免許停止として、自転車通学停止処分もあるなど、生徒の姿勢を厳しく律しています。
この自転車運転免許証講習を行った結果、1,2年生は、平成22年11月以降23年9月までの交通事故が減少し被害の程度も軽傷ですんでいます。また、交通マナーの意識も向上しており、雨降りのカッパ着用率も大幅に向上し、傘さし運転はほとんど見られなくなったなど大きな前進と成果が出ているのであります。こうした、先進的な取り組みについて教育長はどのように考えておられるのかお尋ねいたします。
2、特別支援学校版のトワイライトスクールについて
私は先日、11月1日火曜日、横浜市立本郷特別支援学校と同港南台ひの特別支援学校の「はまっ子ふれあいスクール」を視察してまいりました。これは、本市の小学校で行われているトワイライトスクールの特別支援学校版であります。
私は障がい者施策の充実を求めて取り組んできた一人として予てより特別支援学校に於けるトワイライトスクールのような取り組みができないものかと思案していました。
この度は、横浜市で「はまっ子ふれあいスクール」が実施していることを知り現地に飛んで行って見てまいりました。
特別支援学校の主な事業概要を少々紹介いたします。
対象者が小学部だけでなく本市の中学生にあたる中学部までが対象であることに驚きました。先進都市の横浜市らしく単費で中学部を見ており障がい児に対する手厚さを感じるとともにこれは本市も大いに見習わなければいけないと実感をいたしました。
活動内容は子供の特性を尊重した活動になっており、子供たちが自由に過ごせるプレイルームになっていました。私が視察した折には、自閉症の子どもで常同行為といって、遊びも同じことを繰り返して安定する場合が多く、その児童は音楽プレイヤーを耳に当てて同じ曲を何度も聞いていました。こうした安心できる場所が本市でも必要ではないでしょうか。
実施日時は、月曜から金曜で放課後~17時まで。土曜・長期休暇は10時~15時です。参加できる人数に限りがあるため、週1回程度、曜日を決めて参加しているそうです。
活動場所は、はまっ子ふれあいルーム、体育館、校庭、校舎内で空いている所を使っています。スタッフは子ども2名につき1名が担当。利用料は無料でスポーツ保険が年間500円という内容です。
市立本郷特別支援学校内で実施された理由としては、当時多くの保護者からの要望があったことや、校長先生や先生方の熱意が大きく開設に結びついたとお伺いしました。
現在の利用状況は在籍者に対して70%以上と多くの児童生徒が登録していました。また、チーフパートナーを元教員が務めており、児童に対して熱意と経験があるため子どもたちが安心して時間を過ごしていたことが印象的でした。
港南台ひの特別支援学校のはまっ子では、小さなお部屋にもかかわらず子ども達が「学校へ行くんじゃない、はまっ子に行くんだ」と言っていることを紹介されとても大きな感銘を受けました。
子どもたちの母親のお話として紹介していただいた内容も感慨深いものがありました。特別支援学校のはまっ子では、決められた曜日に限定されていて、希望すれば毎日預かっていただける小学校のはまっ子とは雲泥の差ですが、それでも利用する母親らは、「精神的にゆとりが出た」と話しています。また、「私は、数年ぶりに友人とファミレスで食事した。美容院に行き子供の服をじっくり選んだりもできた」と、このように養護学校のはまっ子は「保護者の心身の負担軽減」も目的の一つになっています。
以上のように横浜市の特別支援学校版トワイライトスクールについて少々紹介致しましたが、とても大切な取り組みであると思います。
本市の母親からも名古屋市立の特別支援学校にもほしいとの声があります。こうした切なる要望についてどう取り組んで行かれるのか子ども青少年局長にお尋ねいたします。
以上で、私の第1回目の質問を終わります
再質問です。
自転車の車道通行については、市民の皆さんからは様々な不安の声があります。
先日、警察庁の石井交通局長の「スピードを出す人以外は従来通り、歩道走行で構わない」と言った趣旨の発言もあり、一体どのようにしたらいいのか全くわかりません。
例えば70歳未満の皆さんが歩道を通行する場合は、車道で自動車などとの接触の危険がある場合などの時に歩道を徐行して通行できると理解いたしますが、再度、市民経済局長にお尋ねいたします。
要望でございます。
ありがとうございます。ただ今の局長答弁から、大要、車道の通行が危険な場合、徐行いていけば歩道を通行できると理解いたしました。
市民の皆様にそのようにお伝えさせていただきます。
ただ、徐行とはいつでも止まることのでき速度ではありますが、人によってはその解釈に違いがあります。歩行者を守るために県警としっかり連携して、もう少し徐行の中身についても明らかにしていくように要望いたします。
11月9日(水)愛知県立春日井工業高校を視察致しました。
視察の目的は、学校独自で自転車運転免許証を発行していることです。
校長先生が赴任して間もない頃、交通安全の取り組みをしている最中に学校のすぐ近くで生徒が重傷を負う交通事故に遭いました。
こうしたことも大きなきっかけとなり、生徒達を車から守るため、また、生徒の自転車の運転による被害者を作らないために実施しています。
講習会場は、自動車学校を使っています。自転車の実地と交通法規の勉強を行い80点以上が合格です。
今、自転車の運転マナーが悪いと指摘をされている中、歩行者との事故も年々増加しており社会問題にもなっています。
市民の皆さまが安心して暮らしていけるようしっかり取り組んでまいります。
昨夜から市川市にきてJR本八幡駅付近で夕食を取り周辺を散策いたしました。
11月2日(水)午前10時から11時の短い時間でしたが市の担当者から今年の4月1日から施行されている自転車の安全利用に関する条例について説明を受けました。
市川市では、交通事故は減少しても自転車事故の割合は増加している。全国・県内に比べ自転車事故の割合が高い。マナーの向上を求める声としてeーモニターのアンケートで自転車を危険と感じたことがある方が、時々あるを含めて98%あり、こうしたことから条例を制定することになったと説明がありました。
私は、条例を作っても名ばかりではいけないのでどんな取り組みをしているのかお尋ねいたしましたところ、市内の6駅で毎朝連日駅を変えて自転車安全利用5原則のティッシュや条例の告知のチラシなどを2人一組で2組で配り声かけをしてる。また、自治会の新旧交代の会合などで職員が行って説明するなど行っています。いずれにしても今後の条例施行後の取り組みは大変重要です。
現在、愛知県警察においても自転車の取り締まりについて今までにない取り組みをしようとしています。私はこの時を逃してはいけないと思います。相乗効果の取り組みとして条例の制定も必要ではないかと考えています。
自転車の安全運転により歩行者の安全が、また、道路に自転車道を整備することにより自転車の安全が確保されます。様々な取り組みが必要となってきます。全力で取り組んでいくことが大切と実感いたしました。