2019-10-16
奈良県大和郡山市は、かつては100万石(豊臣秀長)あったというわれる城下町です。
市役所の前には、お城の名残を残す、お堀や石垣があります。金魚すくいの金魚を生産しているということで、マンホールも金魚でした。
今回は、不登校支援 学習指導室「ASU」(アス)についてお話を伺いました。

ASU
「ASU」の前身は、適応指導教室「あゆみの広場」
あゆみの広場で支援するも、なかなか成果はでてこないということで、新しい支援ができないか摸索していたところ、学校復帰の手前まではできているのだから、それでいこうということで、教育特区を使い、「ASU」を開設したそうです。
「ASU」の特徴としては、子どもたちは、在籍校の生徒であるが、在籍校に戻すことを目的としない、心の居場所づくりを大切にしているとのことでした。
また、特例校なので、授業時間も弾力的に考えることができます。
個々に、担任がついて、一人ひとりに寄り添いながら学習をすすめていきます。
在籍者は、約20人。スタッフは、教員10名(常勤3名、非常勤7名)カウンセラー3名。
「ASU」に来る子たちは、不登校になったことで、自分を責めている子が多く、自己肯定感が低い傾向にある、だからこそ、できる限りすべてを受け入れてあげるようにされているそうです。
現場にいるときには、そこまで受け入れては、わがままになってしまうと思っていたことも受け入れるようになったそうです。そうすることで、子どもたちが心を開いてくれるとのこと。
学習指導は、それまでの状況に違いがあるので、1つの教室を3つに分けて 中1~中3をそれぞれの進度で教えているとのこと。
非常勤の先生も多いので、先生がいないときの子どもの様子を伝えるため、個人記録を残し、ミーティングも頻繁に行うそうです。
登校は9:20、電車通学の子もいること、他の子どもたちと会わないようにという配慮で時間をずらしているそうです。
子どもたちの思いをこめた校歌を作られていました。
- チャレンジタイムは、自分のやりたいことを学習する時間です。やりたいことがなくなったら、実験をやったりスポーツをしたりしているそうです。
(文化財なので、火気厳禁)
- あゆみタイムは、人とのかかわり方をみにつける時間。
自分の思いを伝えるのが下手な子どもが多いので、いろいろ工夫をされながら、コミュニケーションをとる練習をされています。
曼荼羅塗り絵、奈良公園班行動、関西TV、防災センターの見学など、学校に行っていたら経験できることは取り入れているとのこと、子どもたちへの気遣いがうれしいですね。
職場体験も行うということで、驚きました。在籍校にいたら、参加しないであろう子どもたちも、異年齢には入っていけるとのことで、職場体験に行き、評価されることで、笑顔になっていました。
本職の方の指導を受け、大筆づくりにも挑戦し、書道パフォーマンスもされたそうです。
進路保障については、
在籍校にいると、不登校の場合、内申点に1がつく。そうすると進学が厳しいので、ASUで内申を出せるようされていました。そして、数字だけでなく、文章で伝えることで、気が付いてないところの頑張りを評価する意図からとのこと。
進路説明会は、年2回。模擬テストも同じ日程でおこなっている。進学先は、手厚く見てくれるなどの観点で紹介。卒業後に愚痴を言いにASUに来る子もいるということで、素敵な居場所だとおもいました。
家庭の中で行事ができない子も多いので学校で、季節行事もやっているとのこと。
卒業証書は、ASUで2枚。既成のものと、担任の先生手作り。さらに、在籍校からも卒業証書が届けられるとのこと。
大変頑張って、ASUを運営してくださっています。しかし、現場感覚として、不登校が減っているわけではないと感じているとのこと。
指導主事の方も、現場にいたときは、ASUにつなぐことは、自分から手放す感覚があるのでためらっていたそうですが、そうではなく、支援の輪にASUが増えたと考えるようになったとのこと、なるほどと思いました。
ASUへのつなぎ方は
大和郡山市では、不登校の児童生徒が約80名おりほとんどが中学生とのこと、ASUに来ていない子たちには、月・金曜日、職員を多めに配置し、体験できる日としているそうです。
保護者は、わが子が不登校になったことで、何とかしなくてはと、焦りますが、落ち着いて考えなくてはいけない。ASUならいけるだろうと、過度の期待をして、子どもの意向を無視して、ASUに来たが、子どもの気持ちがついて行ってない場合、ASUでもあかんととなり、2倍のショックになるので、本人の気持ちを置き去りにしてはいけないとのこと、本当にその通りだと思います。
家族の理解が深まることで、大きく子どもは変われるとのことでした。
質疑のあと、
車で5分ほどの、城跡ASUに案内して頂きました。
文化財に指定されている、レトロで存在感のある建物でした。

子どもたちの作品があり、高い天井と木のぬくもりが素敵です。

ただ、古い建物で、耐震に問題があるので、そろそろ新しいところを考えなくてはいけないのではないかといわれているそうです。学校でないところで、支援をすることに、意味を感じますし、あまりにも、素敵な建物なので、何らかの形で残るといいなあと思いました。

学習指導教室ASUを作ったから、不登校が劇的に解消するというような簡単なものではないこともよくわかります。それでも、こんなに、学校に来れない子どもたちのことを思ってくれている大人がいることは、子どもたちの力になると思いました。
視察受け入れありがとうございました。
駅やASUにも送迎頂き、感謝申し上げます。
