10月29日(火)PM7時~公明党本部で行われた講演会に参加しました。
公明党が主導し、2009年度から始まった乳がん・子宮頸がんの無料クーポンは、受診率の向上に効果を上げてきました。
ところが厚生労働省は、11年度、乳がん・子宮がん検診の受診率が横ばいになったことを挙げ、来年から無料クーポンの対象年齢を絞り込んで、事業を縮小しようとしています。
受診率が十分に伸びないのであれば、受診率を向上させる新たな制度を導入すべきではないでしょうか。
今日の講師は、日本医科大学武蔵小杉病院、腫瘍内科教授 勝俣範之先生です。
統計によると、日本人の1年間のがん罹患者数は676,075人、死亡者数は344,105人。
日本人の死因の1位は「がん」で、2人に1人が「がん」にかかり、3人に1人がは「がん」で亡くなっています。
しかしながら、がんの検診率は欧米諸国に比べ非常に低く、がん対策基本計画で目指す検診率50%は、いまだ30%に満たないという現状です。
イギリス、ドイツ、アメリカなど欧米諸国でがんの死亡率が減ってきているのは、検診の普及と抗がん剤の進歩と考えられています。
ちなみに、アメリカ、イギリス、オーストラリアの検診受診率は60~70%です。日本より遅く取り組みを始めた韓国さえ60%を達成しているそうです。
イギリスの乳がん検診受診率が70%と高いのは、(1)対象者全員に受診勧奨通知を出している (2)3年に1回の受診としている (3)50~60歳に対象者を限定している とのことでした。
なぜ日本で受診率が向上しないのかについては、
1、国民の意識が低いからではなく、政策がわるいからである 2、市町村まかせにしているだけで、国にやる気がない、具体的方法も示していない。3、市町村には専門家がいない
など、厳しい指摘もありました。
1、住民台帳を利用したコール・リコールは必須 2、第三者の評価機構によるクオリティコントロールを行う 3、がん対策室の人事を固定化・評価を行う 4、国立がんセンターに政策提言部署を設置する
などの案を示されました。
国に求めるとともに、地方でできることは地方から始めることが大事だと感じました。