水道「みやぎ型管理運営方式」事業開始式に出席
宮城県では今月1日から水道事業の新たな運営方式「上工下水一体官民連携運営事業」(みやぎ型管理運営方式)がスタートしましたが、昨日12日に白石市の南部山浄水場で同事業の開始式典がありました。私は水道事業を所管する県議会建設企業委員会の委員長として式典に参加しました。
同事業は、県が運営する上水道、下水道、工業用水道の管路や施設を県が所有したまま、浄水場や処理場などの維持管理や設備更新業務などを20年間、民間企業にゆだねる方式(コンセッション方式)です。民間の創意工夫を最大限発揮するとともに、3水道を一括して運営することでスケールメリットを発現させ、20年間で337億円のコスト削減と水道料金の上昇抑制を目指します。
ただし、水道事業者は引き続き県企業局であり、事業全体の総合管理や水質検査、水道管路の維持管理、更新、災害対応は従来と変わらず県企業局が責任を持ちます。水道料金の決定も従来通り議会の議決が必要であり勝手に上げられません。さらに、外部有識者で構成された経営審査委員会が運営状況をチェックする厳格なモニタリング体制も構築されています。
これまでも浄水場などの維持管理は民間企業に委託されてきましたが、契約期間が短かったり制限が多かったりするなど、民間の力が十分に発揮できていない状況でした。宮城県の新方式は、これまでの官民連携を進化させたものであり、一般にイメージされている「水道民営化」とは全く異なることをご理解頂きたいと思います。
運営を担う企業は、水処理国内最大手の「メタウォーターグループ」など10社が出資する「株式会社みずむすびマネジメントみやぎ」とその関連会社「株式会社みずむすびサービスみやぎ」です。両社の社員の約4割は、これまで維持管理業務を担ってきた企業からの転籍者であり、業務の引継ぎもしっかりと行われました。
上水道にコンセッション方式を導入するのは全国初の取り組みであり、県民からは不安の声も上がっています。式典では、株式会社みずむすびマネジメントみやぎの酒井社長が「信頼される企業へ成長していくために、事業を約束通り全うし続けることはもちろん、必要な情報のみならず悪い情報もきちんと情報発信し、隠しごとをしない会社を目指していく」と最大限の情報公開に努める姿勢を強調しました。
事業の運営や企業の経営の状況については、毎年、県議会にも報告されます。人口減少や節水型社会の進展で全国的にも水道事業が厳しさを増す中、安全・安心で低廉な水を確実に供給していくという「みやぎ型」の目的がしっかりと果たされるよう、引き続き事業の運営をしっかりとチェックしてまいります。
(株式会社みずむすびマネジメントみやぎのホームページでは、事業計画や水質データ等が公表されています)
https://www.mizumusubi.co.jp/