「総合支援資金」の貸付要件が緩和 収入減少世帯に切れ目のない支援を
新型コロナウイルスの影響で生活が苦しくなった方を対象に、生活資金を無利子でお貸しする制度として、「緊急小口資金」とともに「総合支援資金」があります。あまり報じられてはいませんが、先日、厚生労働省はこの総合支援資金が利用しやすくなるよう要件を緩和しました。
総合支援資金は、生活が困窮している世帯に対し、最大20万円を原則として3か月間、貸与する制度で、返済期限は10年以内となっています。1世帯に最大20万円を一度だけ貸す緊急小口資金よりもまとまった資金を入手できますが、これまでは、貸付の条件として「生活困窮者自立支援法の自立相談支援事業による支援を継続的に受ける」ことが必須となっており、失業してハローワークに通うことや自立支援計画の策定が必要となるなど、利用するにはハードルが高い状況でした。実際、宮城県ではまだ利用実績が「ゼロ」のままです。
そこで厚生労働省は4月23日に、「自立相談支援事業による支援」は不要として手続きを進めるよう各都道府県や社会福祉協議会に通知しました。失業や休業状態でなくとも貸付の対象となります。緊急小口資金をすでに借りた人でも利用できる制度ですので、緊急小口資金を利用してもなお、厳しい状況が続く方々に切れ目のない支援を届けることが可能になります。宮城県でも今後は円滑に利用ができるよう窓口の対応を改めてほしいと県当局には要請しました。
なお、「振り込みまで時間がかかっている」との声が寄せられている緊急小口資金について現状を調べたところ、4月中旬までは1日平均58件の申請でしたが、4月末には1日平均111件に急増。県社会福祉協議会による事務処理が追い付かず、申請から振り込みまで1週間以上かかる状況になっています。県社協では、スタッフを2倍近くに増員し、以前のように申請から3日間以内の振り込みをめざしたいとしています。
緊急小口資金や総合支援資金の申請窓口は、市町村の社会福祉協議会となっています。