藤井聡著「プライマリー・バランス亡国論」を読了。本の帯に「プライマリーバランス(財政の収支)のための増税と予算カットで国民は貧困化し、財政は悪化する。今こそ、積極財政で日本の危機を救え」とある通り、著者は、過去30年間の日本経済の動向を様々な実証データを使い「プライマリー・バランス制約」が、経済を悪化させ日本の明るい未来の訪れを阻むなど、日本を亡国に導く要因であることを解明。また、今の日本にとって、早期のデフレ脱却が不可欠とし、そのためには、「PB黒字目標」という過剰な規律を撤廃し、現状の金融緩和政策に加え、積極的な財政政策(=PB赤字拡大)を、財政の合理性を担保するワイズスペンディング(賢くお金を使う⇒より効果的に成長を促す支出を計画し、合理的に進めていくこと)をベースに行う必要があるとし、さらに、その効果としてデフレ脱却のみならず、財政再建を含めた、日本のあらゆる問題の改善、解決に繋がると主張している。難解なマクロ経済について、大変わかりやす書かれており一気に読むことができました。