議員リポート
●地方議員リポート(抜粋・編集) 月間「公明」2026年7月号に掲載
※月間「公明」編集部の許可を得て抜粋しております。
~不登校支援でも生きるインクルーシブ教育~
知的障がいのある長女が3月、小中学部・高等部の12年間通学した県立特別支援学校を卒業しました。そのうち9年間、私はPTA本部役員(6年間は会長)を務めました。この経験から真に困っている人は相談自体ができない、声を上げられないことを実感しました。声なき声は周囲から漏れ伝わってくるものであり、見かねた支援者らがそっと伝えてくる声なのです。
このような視点から弱い立場の方々の代弁者として、また教育・福祉・平和の公明党の議員として、人権や尊厳そして教育現場を守り強くすることに使命感を持って取り組んでいます。これまでに障がい者雇用の推進、ヘルプマークの導入、心のバリアフリー観光の推進、強度行動障がい者支援の充実などを議会で取り上げ、一つずつ前に進めてきました。
特に、子ども医療費の窓口無料化は、多くの議員が議会で取り上げるも、状況は変わりませんでした。そこで私は、あるお母さんの声として、知的障がいのあるわが子の手をつなぎ、窓口で支払いをすることの苦労を代弁するとともに、子どもの貧困と障がい児を持つ家庭の間には県独自の調査結果でも見過ごせない関連性があることを主張。「障がい児だけでも窓口無料化を進めるべき」との提案が突破口となり、子ども医療費の窓口無料化が段階的に進み、2026年度から中学生まで拡充されました。
2023年度には教育警察常任委員長を拝命しました。〝教員こそ子どもたちの最大の教育環境〟であるとの思いで良質な教員確保に向け、チーム学校の推進、教員のウェルビーイング(心身の健康や幸福)向上、不登校児童生徒対策・支援に向けて学校と福祉の連携、インクルーシブ教育の推進を県へ要望しました。スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーが拡充されるとともに、教員採用方法の改善が進展したことで教員不足の解消への効果が期待されます。
PTA会長をしている際、先生方からインクルーシブ教育の意義を聞く機会に恵まれました。中でも、発達に課題のある児童が小学校で不登校であった場合、中学部から特別支援学校に転籍すると、ほとんどの子が毎日登校できるようになることを教えてもらいました。
先生が言うには「小学校では発達課題の故に自信が持てなかったのが、特別支援学校では自分よりも重度の障がいのある子らから頼られる存在に環境が変化することで、自己肯定感が醸成されていくのではないか」とのことでした。先生の核心を突く言葉がインクルーシブ教育を推進していく原動力となっています。インクルーシブデザインの世界では、障がい者をリードユーザー、「未来を見せてくれる人」と表現します。インクルーシブ教育の推進が、不登校対策・支援につながるとの確信で取り組んでいます。
これまで計4回にわたって一般質問で取り上げ、導入を求めてきた副次籍制度(特別支援学校に通う児童生徒が地域の学校にも副次的に籍を設ける制度)は、25年度から県が本格導入を決定。26年度からは私の地元の四日市市では全小学校で導入されます。実に、最初の一般質問から足掛け8年の歳月が流れていました。副次籍制度は、県教育委員会が制度を定め、市町教育委員会が導入し、地域の小中学校で運用します。公明党の地方議員間の連携が大きな推進力となりました。この制度によって、特別支援学校と地域の小中学校との連携強化が期待されます。
さらに、26年度に入って、公明党の四日市市議の仲間と連携し、長年取り組んできた「障がい者の18歳の壁」(特別支援学校卒業後に生活環境が激変すること)の解消と、「発達障がい児地域診療ネットワーク」の構築も大きく前進させることができ、関係者から喜びの声をもらっています。
これまで教育行政について県教育委員会と意見交換する際には、公明党は〝子どもの幸福が教育の目的であり、故に教育のための社会であるべきだ〟と捉えており、学校と教員を社会全体で守る立場であると説明しています。
公明党は大きな転換期を迎えていますがこれをチャンスと捉え、教育のための社会がさらに進展するよう取り組んでいきたいと決意しています。