社会福祉法 改正の背景と内容
本日付け公明新聞四面の”解説ワイド”は、先の通常国会で成立した社会福祉法などの一括改正法を取り上げています。来年4月1日施行に向け、地域共生社会の実現を目指し、貧困や介護、孤立などに対応する市区町村における相談支援体制などについて、新たな支援の在り方を検討する協議が始まります。
日本の福祉制度は、1980年代後半以降「高齢」「障がい」「子ども」など属性別、対象者別に制度が整備されてきました。一方、昨今は人口減少など社会構造の変化に加え、個人の価値観の変化、従来の血縁、地縁、社縁の希薄化などにより、「8050問題」や社会的孤立、介護と育児を同時に担う「ダブルケア」、就職氷河期世代やひきこもり問題など、制度・分野を超えた複合的な課題が浮上しています。こうした課題を抱える方は、これまでの法制度や支援の枠組みに当てはまらず、相談に行ってもたらい回しに遭ったり、適切な支援につながらないケースが多く、私も何度か経験しましたが相談対応するのに困難が生じてました。
この状況を改善するため、複合的な課題を抱える一人一人の状況を相談で把握し、状況に合わせて必要な支援につなぐ生活困窮者自立支援制度が2015年度からスタートし、各地で包括支援の仕組みづくりが進められてきました。しかし、分野を超えた総合相談窓口を設置すると、旧来の縦割りを前提に会計検査院などから事業ごとに財源を案分するよう求められ、地方自治体から安心して包括的支援を実施できる体制整備が求められてきました。
そこで改正法では、介護・障がい福祉・子育て・生活困窮の相談支援に関する事業を一体として実施し、本人・世帯の属性に関わらず受け止める「断らない相談支援体制」を市区町村で構築することに加え、新たに参加支援、地域づくり支援をセットで行う「重層的支援体制整備事業」が明記されました。さらに、それを支えるものとして、伴奏型支援、多機関協働、支援プランの策定も新たに盛り込まれました。
法改正したからといって、すぐ実現できる訳ではありません。実施主体は市区町村であり、庁内連携体制の整備や住民や民間団体と連携しながらソーシャルワーク(社会福祉援助技術)できる職員がいることが外せません。必要な予算を確保するとともに、人材育成についても必要です。今回のコロナ禍によって、その必要性と重要性は更に高まっており、国・地方挙げて取り組んで参ります。

